ハーバード大学の新しい研究で、くるみの摂取が 女性の2型糖尿病リスク抑制に関係すると判明

ハーバード大学の新しい研究で、くるみの摂取が 女性の2型糖尿病リスク抑制に関係すると判明

カリフォルニアくるみ協会

2013年2月28日 11時00分

2013年2月27日 米国カリフォルニア州フォルサム発ー2013年2月21日『ジャーナル・オブ・ニュートリション』オンライン版に掲載された最近の研究によると、

アメリカ人女性を対象とした大規模予測コホート試験である看護師保健調査(NHS)およびNHS IIにおいて、くるみ摂取と2型糖尿病リスクに逆相関が存在することが判明したと発表されました。

ハーバード大学公衆衛生学部の研究者らが、試験開始時に糖尿病、心血管系疾患、がんのいずれにもかかっていない女性をNHS(1998〜2008年)では58,063人(52〜77歳)、NHS II(1999〜2009年)では79,893人(35〜52歳)をそれぞれ追跡調査しました。

それによると、毎週2サービングまたはそれ以上(1サービング=28g)のくるみ摂食は、生活習慣の要素の1つであるBMI(ボディ・マス・インデックス=体格指数)で仲介した2型糖尿病の発生リスクを補正前で21%、補正後で15%、それぞれ抑制するという関係が見られました。

 研究レポート要約へのアクセス
http://jn.nutrition.org/content/early/2013/02/18/jn.112.172171.abstract

 日本の糖尿病患者数は予備軍を含めるとおよそ2,210万人に上る

日本の糖尿病患者数は約890万人で糖尿病予備軍を含めるとおよそ2,210万人に上ります(※1)。

世界全体では3億6,600万人 (※2)が糖尿病にかかっていると推定され、その数は世界全体で2030年までにおよそ5億5,200人に増えることが見込まれています(※3)。

患者数の多いこの病気と戦うには、食事とライフスタイルの改善が重要な要素となります。最近得られた証拠によると

、脂肪の総摂取量ではなく脂肪の種類のほうが2型糖尿病の発症に重要な役割を果たすことが示唆されています。

具体的には、くるみに豊富に含まれる多価不飽和脂肪酸(PUFA)の摂取量が多いと2型糖尿病リスクが低くなるという関係が認められています。

(※1)日本糖尿病学会HP
(※2)http://www.idf.org/diabetesatlas/5e/diabetes
(※3)http://www.idf.org/diabetesatlas/5e/diabetes

他のナッツ類は一般に一価不飽和脂肪酸が多いですが、それと比べてくるみは多価不飽和脂肪酸が豊富という点で特長があります。

多価不飽和脂肪酸はインスリン抵抗性と2型糖尿病リスクによい影響を与える可能性があります。

具体的に言えば、くるみは多価不飽和脂肪酸が中心のユニークな組成をもつ点で他のナッツ類と異なり、植物性オメガ3脂肪酸のαリノレン酸を大量に含む唯一のナッツです(1オンス=28g当たり2.5g)。

糖尿病と肥満の専門家であるDavid Katz博士は、くるみはアメリカ人が常食すべき栄養豊富な食材だと考えています。

「観察研究では因果関係を証明することができませんが、大規模集団で相関が認められ、信頼できる状況でその相関が生じているなら、

因果関係が存在すると推測してもよいかもしれません」とKatz博士は語り、さらにこう続けます。

「今回の結果は、強力な医薬品でしばしば見られるのと同じように、強固で顕著です。これによって、糖尿病と闘うためには、くるみのようなホールフード(未精製の丸ごと食べられる食品)を摂取することの重要性が強く示唆されます」

管理栄養士で糖尿病療養指導士のAndrea Dunnは、くるみがおいしくて毎日食べるのも簡単だということを考えると、なおさらこの新しい研究が朗報になると感じています。

「この研究では、1週間に2サービング以上のくるみを食べると効果が現れるようでした。

このくらいならとても簡単に取り入れられます」とAndreaは言います。

彼女のお勧めは、くるみを朝食のオートミールやヨーグルトに加える午後のおやつにひとつかみ食べる、魚料理の衣にする、野菜炒めのトッピングにする、といった食べ方です。