井伊直弼の続きです。

井伊直弼の続きです。

 すき焼きなど、今日のように広く牛肉が食されるようになったのは幕末の開国以降で、井伊直弼が強引ながらも積極的な開国政策をとった影響もあり各地で外国人による需要が高まり、それに伴って牛肉食が徐々に広まっていったといわれている。

 こうして牛肉は、日本人には薬用として食される一方で、開国とともに国内に増加した外国人を相手に、牛肉を扱う商売が行われるようになった。特に評判の高かった近江牛は、海運によって江戸(東京)等へも出荷されるようになり、その評判はますます高まっていくのである。

 生育環境に恵まれ、霜降りが多く肉のきめが細かいとされる近江牛。俗に言う三代和牛の一つに数えられるその味は、数百年の昔から、変わらず人々に愛されていたようだ。