「ミツバチ大量死はネオニコ系農薬と強い相関」、
金沢大学の教授らが論文発表
オルタナ取材班が長崎・生月島の東海岸で1匹だけ見つけた ニホンミツバチ(2012年11月、撮影・高橋慎一)
ミツバチの大量死が日本を含めて世界中で報告されるなか、金沢大学理工研究域自然システム学系の山田敏郎教授らの研究チームが「ネオニコチノイド(ネオニコ)系農薬がミツバチ大量死と強い相関関係がある」
との論文をこのほど発表した。ネオニコ系農薬はフランスなどで2006年から使用禁止になっているが、日本でもその使用の是非が問われることになりそうだ。
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「ミツバチ大量死はネオニコ系農薬と強い相関」、金沢大学の教授らが論文発表
ネオニコ系農薬は主に殺虫剤として、コメ、果樹、野菜などの栽培に使われるほか、森林や公園などの松枯れ予防、家庭用の殺虫剤やシロアリ駆除などにも使用される。
他の農薬と比べて使用量が少なくて済むので、特別栽培農産物に使われることもある。
研究チームは2010年から、ミツバチに及ぼす影響を調査するため、ネオニコ系農薬の長期投与実験を行い、成蜂や蜂児数の変化および農薬摂取量を追跡した。
その結果、蜂崩壊症候群(CCD)の状態を経て消滅に至ることを初めて明らかにした。
CCDは、花粉や蜜など食糧が残る巣に、女王や卵、幼虫、さなぎなどを取り残したまま、ミツバチが大量失踪する現象で、巣別れとは異なる不自然な現象として注目されている。
養蜂や農業だけでなく、生態系の危機につながる深刻な問題だ。
CCDの原因として挙げられるのが、ネオニコ系農薬だ。ネオニコ系農薬は、昆虫に選択的に毒性を発揮する。
日本では、斑点米の原因となるカメムシを防除するために水田に散布されたり、松枯れ対策のために森林に空中散布されるなどで、これまでの農薬に取って代わりつつある。
極めて分解しにくく強い毒性と浸透性を持っているため、従来の農薬よりも散布量、散布回数ともに減らせるとして、多くの農家が使用している。
■フランスでは2006年から使用禁止に