※この詩は1年半ほど前に作ったものです。

◇◆僕は何を希望として生きて来たのだろう◇◆

今朝早く、ずっと昔の新聞を見つけた
押入れの奥の、ダンボールの中に入っていた
巨人の篠塚が、猛打賞を打っていた
その試合では、ファインプレイもしていた
篠塚独特の、二塁手プレイだ

さびた新聞が、リアルの時間だったころ
好きだった女の子のことを想いだした
その子は、他の人と違って、僕のことを一人の男子として扱ってくれた
バイキン扱いも、ゴミクズ扱いもしなかった
先生もしたのに…

僕が学校に行かなくなって、しばらくした頃
近所に住んでいた、サッカー部の男子の家に
彼女が行ったって聞いた
登校拒否の僕の家には
一度も、来てはくれなかった

卒業式の日も
僕は布団の中で、ずっと、待っていた
最後には、布団をかぶって泣いた

20年後、僕は別の町で
別の子を好きになっていた
その子と話をするだけで、ときめく

告白なんて出来ないし
受け入れてもらったとしても
フラれても、僕は泣いてしまうだろう

イチローが、大リーグでまた記録を作ったのだそうだ
一昨日の、夕刊を読んでしまったら
僕は泣いてしまうだろう

だが、その新聞は
さびるまで、どこかで眠るのだろう