◇◆刺すような恐怖を受ける◇◆
夢の中の出来事だった
真暗闇の中、歩いている僕がいる
薄白い線のような道を
つたいつたい歩いている
前方の道がふたつに分かれていた
どちらの道に行くか、迷う
二つの道の先は、両方とも真暗だ
元、来た道に戻りたいとも考えたが
後ろを向くのが怖かった
道が無くなっている気がしたからだ
後ろはもっと暗黒な気がするのだ
夢の中の出来事とは思わない
まだ夢とは気づけないでいるのだ
そのうち、前の方から視線を感じだす
しだいに横からも後ろからも
視線を感じるようになる
僕が何より怖れる冷笑な視線だ
息をころすような冷やかした声が
聞こえるのだ
僕はカーッと顔から熱くなった
その時の恐怖感ときたら
久しぶりだったこともあるのか
いまだに何も解決していないのかと思った