ひきこもり・ピアサポーター制度(訪問支援)への違和感

◇◆アウトリーチはすっごく精神力を使う・削るサポート◆◇

厚生労働省が進めている「ひきこもり・ピアサポーター」制度。
元ひきこもり等が現在ひきこもっている若者へ
アウトリーチ(訪問支援)をします。

私は個人的にですが、この制度に違和感を感じています。
たしかに「(元)ひきこもり」が経験を活かして、
サポート(支援者)側に回る。この事実は、
確実に進歩したことだと思うし、携わってきた方々に
賞賛とお礼を申し上げたいのですね。

来年度以降は、この「ひきこもり・ピアサポーター」制度を
実施する自治体は増えるらしく、
現在「ひきこもり・ピアサポーター」制度は
活気ある状態にあるのかもしれません。

まず、とても画期的なサポート制度だと思います。
何度も言わせて頂きますが、関わってきた方々には
賞賛させて頂き、心からのお礼を申し上げたいのですね。

ですが、、、です。違和感を覚えるのです。感じてしまうのです。
これは私だけではないのだと思うのですね。
この「ピアサポーター」制度では、支援者側の
「ピアサポーター」は基本的に「無償(ボランティア」で
行われるのらしいのですね。

たぶん、来年度から本格的に実施するといえる活動も
無償で(ボランティアスタッフとして)行われるのでしょう。
私も以前、訪問支援を頼まれたことがあります。
交通費は払うとのことでしたが、対価は出ないので
丁寧にお断りした経験があります。

(私にとっては)無理なのですね。
無償でアウトリーチ(訪問支援)を行うことがです。
(ひきこもりの)訪問支援を行っていた友人がいるのですが、
話を聞いてみると、「アウトリーチはとてつもなく
精神力を消耗するサポート方法、無償でなんてとても無理」
とのことです。

私も同感です。すごく精神力が消耗し、
心(精神的)に負担をかけるのだと思うのですね。
この辺りを行政(国)の担当省にも理解して頂きたいのですが、
私たち「(ひきこもりの)ピア」は、ひきこもりからは抜け出ていても
通院していたり、服薬していたりで、まだ病状がある場合も多いし、
人に恫喝されたり、極度の緊張に耐えられなかったり、
緊張した空間でのサポートは大変難しいものがあるのですね。

その私たちに最も難しいサポート方法の一つである、
訪問支援を「無償」で行ってほしいというのは
ちょっと違うのではと考えてしまうのですね。
まず、最低賃金は保障・用意すべきではないかと思うのですね。
最低でも有償ボランティアで行なう、まかなえる予算を
確保すべきだと心から思うのです。

お金がほしいわけではないのですが、
それくらいの対価がないと、気持ちに張りが出ませんし、
現場では恫喝や罵倒もあると思うので、
その緊張・恐怖の状況でのサポートは
身が持たないのでは考えるのです。

「仕事」だと割り切るわけではないのですが、
それくらいの対価がないと、実質・実際的に
ピアサポーターとして訪問支援を続ける(継続する)のは
相当難しいのではと考えるのです。

行政サイドの考え方はわからないのでもないのですが、
「(ひきこもり)ピア」として意見を言わせて頂くと、
「無償で訪問支援を行い続けるのはホントに難しい」と考えるのです。
こう、強く思うのですね。

私もピアサポーター養成講座を受けようかとも思いましたが、
いろいろと考え(過ぎ)て、けっきょく辞めることにしました。
しばらくの間は見守り続けることにしました。
「ピア」は自分のこともケアしなければなりません。
セルフケアですね。ですが、それは「ピア」にとっては
大変難しいのですね。だからこそ、最初は勢いがあって
大々的に実施されるかもしれませんが、
長続きはしないのではとも考えるのですね。

せめて、「有償ボランティア」にならないかというのが
実感であり本音の部分です。そうしないと
「(ひきこもり当事者)ピア・サポーター」が
精神的に持たないと考えるからです。これが私個人の
「ひきこもり・ピア・サポーター制度」への違和感なのです。