「しゃべり場」型居場所の効能

◇◆既存のインフラが使えて、効果もある◆◇

約3年間、宝塚市で「しゃべり場」型の居場所を
してきました。開始当初は、やはり「家」型居場所の方が
良いのでは〜と考えていました。
でも次第に考え方を変えるようになりました。
「しゃべり場」型の居場所はとっても効果が
あるということに気づいてきました。

もちろん、「居場所」に関しては
多くの支援者さんが実践しておられて、
ホントに様々なご意見があるのだと思います。
なので、これからの話も一つの意見だと捉えてください。

効果
・会話の多方面性がある。通常の居場所では
支援者とや当事者同士がおのおのおしゃべりをしている。
そうではなく、限られた時間の中、しゃべり場として会話する。
そのためには、相手に理解してもらうために考えて
話をしなければならない—実践で会話術を身につけていく。
一カ月や二カ月では身に着かないが、一年単位で
しゃべり場があると身についていく。
ちょっと変わった、ジョブトレである。

・週に数回のしゃべり場があるとしたら、
その時間に向けて、外出するという意識が出来る。
集中する時間が設けられる。

・しゃべり場というのは日常の会話の場であるが、
ダラダラしゃべりではなく、社交の場でもある。
見栄や格好しいも、やさしい気遣いもある。
最初はその場に合った会話が出来なくても、
「変更的ジョブトレ」で会話術が身についていくのである。
見栄や格好しいだけでは、本当の意味で相手にしてもらえない。
やさしさ、心配りが必要となってくる。

課題
・しゃべり場は一日に一回、集中する場である。
出来たら週に3回くらいはあった方が良いと思われる。

・しゃべり場で会話に慣れてきたらおもしろくなるが、
慣れるまでに嫌になって参加しなくなるかも。

・きっかけも必要。場に参加するためのきっかけ。
思わず参加したくなる広報。

・しゃべり場と社会とのかけ持ち。しゃべり場は息抜き的場。
いつものメンバーの中でしゃべり合うが、
他の社会との接点も忘れてはいけない。
ずっとしゃべり場に来続けても良いのだが、
しゃべり場と家だけが「社会」になってはいけない。
そのあたりは、スタッフ側が考えることである。
他の社会へのアプローチが必要となってくる。

以上です。何やら偉そうなことを言っているなあ
と感じた方もいらしたかもしれませんね(^_^;)
ですが、3年間、しゃべり場をやってきて、
確実に効果のあった方もいます。それは実感しています。
「何を言ってもいい」ではなく「何をどう言おうか」という視点を持つことは
大きな社会性を持つことに繋がると思います。
社会性を持てれば、仕事等にも結び付く可能性が高くなると考えます。