三位一体のひきこもりサポート

◇◆サポートシステムと支援者の「個」の力◆◇

今回も多くの支援者の方が言っていることと
同じような意見ですが、
訪問・相談窓口—居場所(生活支援)—就労支援
は三位一体だと捉えています。
一つの事業所で完結するのではなく、
ネットワークの中で個々の事業所が
それぞれの役割を遂行するのが良いと思います。

訪問・相談窓口対応には専門的スキルが必要です。
私の今までの経験から申し上げて、居場所でのスキルは
特に有資格者である必要はないと思っています。
これは居場所対応が簡単だと言っているのではなく、
その人の持つ味わい深さというか、
その人が大事で資格が大事ではないのですね。

就労支援には専門的スキルが必要ですが、
ネットワークはさらに必要でしょう。
実習先を探す、レイブルの方を売り込むのも営業能力ですよね。
そんな、ひきこもりはモノじゃない—のですが、
経験値は体験から獲得するものであり、
どんなに優れた素質を持っていても
磨かれる場がないと輝く機会を得られないのですね。

なので、実習先→さらに経験を積む場としてバイト先を探すのは
支援者の仕事なのではと考えます。
じっさいに就労のブランクがある人間が、
個人でバイト先を探し、決めるのはかなり難しいのではと思います。

この三位一体のシステムがあれば、
ひきこもり系の方が再スタートできる可能性が
かなり高くなるのではと考えます。
ある人は地道な訪問・相談支援が必要かもしれません。
ある人は居場所で生活・社会的スキルを身につけるのに
時間を要するかもしれませんね。
ある人は実習先でへこんでしまい、
また自宅に籠もってしまうかもしれませんね

これは失敗—問題でしょうか。
私は問題だとは捉えません。
失敗も大事な経験になります。失敗もなく
順風満帆に人生は過ごせないと思います。
必ず失敗し、大きく愕然落胆し、悩む時が来るのだと思います。
—誰だってそうなのだと思います。人間関係全てがそうですし、
つまずき傷つき悩む時があるのだと思うのですね。

その人がそこから立ち上がって、社会に自分を合わせていく、
何とか折り合いを付けていく
—その部分でサポートするのは支援者の役目だと考えます。
その人をその時だけみるというより、その人個人をみる
その人そのものをみるという発想なのかもしれませんね。

少し話が脱線しましたが、私はそのようなサポーターに出あってきました。
なので、つまずいたり傷ついたりはしょっちゅうなのですが、
なんとか社会に自分を合わせようと折り合いをつけます。
という気持ちで現在はいます。
この気持ちを当事者が持つのはなかなか難しいと私個人は思っています。
社会が自分に合わせてくれるばかりではなく、
自分からも合わせていく、アプローチしていく気持ちが必要だと思うのですね。

では、どのようにアプローチするのか、折り合いを付けていくのか
共に考え実践するためのサポートをするのが
支援者の役目ではないかと考えるのですね。