『奈良の都と万葉歌』・・・前期講座(第10回)

(%紫点%) 前期講座(2月〜7月:全10回講義)の第10回講義の報告です。
・日時:7月20日(火)am10時〜12時10分
・場所:すばるホール・3階会議室
・演題: 「奈良の都と万葉歌」
・講師: 辻 孝子先生(古典文学研究家)
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*万葉集(概要)*
・万葉の時代・・・舒明天皇(在位629年〜641年)〜大伴家持の歌(759年)の約130年間
・日本で最も古い歌集(奈良時代の末期ころ、編集された)
・全20巻、4500余首、500名近くの歌人
・天皇、貴族から中・下級官人、庶民、防人など様々な身分の人間が詠んだ歌を集める
・主な歌人・・・額田王、柿本人麻呂、山上憶良、大伴旅人、大伴家持など
・歌の種類・・・「5・7・5・7・7の短歌」がほとんど。「5・7 5・7 が繰り返す長歌」や、その長歌のあとに詠まれる「反歌」など
・【雑歌(ぞうか)・相聞歌(そうもんか)・挽歌(ばんか)】、〈東(あずま)歌、防人(さきもり)歌〉
・枕詞、序詞、対句
・万葉仮名(原文は漢字で書かれている)
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(%エンピツ%) 講義の内容
1.時代背景「都の変遷と天皇」
・万葉集の時代背景
・女帝について
・遷都の変遷
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(%青点%) 右の資料は、辻先生が作成されたものです。右上は、万葉集の時代背景が1ページによくまとめられています。右下の資料は、手書きで作成されています。
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2.今日は12首をとりあげて、全員で声を出して歌を詠み、辻先生の歌の解説
①.〈あおによし奈良〉・・・4首
*328「あおによし奈良の都は 咲く花のにほふが如く 今盛りなり」(大宰府少弐小野老)
②.〈天平8年(736年)の遣新羅使一行の歌〉・・・2首
*3602「あおによし奈良の都に たなびける 天の白雲 見れど飽かぬかも」(大判官・壬生使主宇太麿)
③.〈味真野恋歌(740年頃)〉・・・2首
*3728「あおによし奈良の大路は 行きよけど この山道は行きあしかりけり」(中臣宅守)
④.〈都が久邇に移って(740年)の歌〉・・・2首
*1046「いわ綱のまたをちかへり あおによし奈良の都をまた見なむかも」(作者不審)
⑤.〈遷都に際して〉・・・2首
*18「三輪山を しかも隠すか 雲だにも こころあらなむ 隠さふべきや」(額田王)
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(%ノート%)辻先生の万葉集の講義は、歌の解説がわかりやすく、時代背景もキチンと捉えられていますので、「万葉集」が楽しく学べます。
『辻 孝子先生 プロフィール』:阿部野市民学習センターにて「万葉空間」主宰。藤井寺市教育委員会生涯学習課「古典文学」講師。吹田・京都・大津・草津などで古典文学講師。”薄れつつある自国の古典文学の世界を、一人でも多くの人に興味と関心をもって親しんでいただけるよう努力しています。”(辻孝子)
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(%赤点%) 「前期講座(2月〜7月:全10回講義)」は、今日(7月20日)で終了しました。 講師の先生及び受講生の皆様に、厚く御礼申し上げます。
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(%緑点%) 「後期講座(9月〜1月:全14回講義)」は、9月7日(火)からスタートします。(尚、後期講座の受講生募集は、すでに定員になりましたので、応募は締め切らせていただきました。)
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・問合せ:シニア文化塾「事務局」 常本(つねもと) 携帯090-3990-3907