『万葉空間』

(%紫点%) 前期講座(文学・文芸コース)(全14回講義)の第3回講義の報告です。
・日時:平成23年3月31日(木)午後1時30分〜3時40分
・場所:すばるホール(3階会議室) (富田林市)
・演題: 「万葉空間」〜万葉集の世界に遊んでみませんか〜
・講師:辻 孝子先生(カルチャー講師)
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(%エンピツ%) 講義の内容
1.万葉集について
・万葉の時代…【舒明天皇(629年 – 641年)から大伴家持の歌(759年)の約130年間】
・全20巻、4500余首
・梅と桜
(万葉集/成立8世紀後半)…梅(119首)、桜(44首)←万葉集では(白)が主
(古今集/成立10世紀初め)…梅(18首)、桜(70種)←古今集ではが主
2.語源
①さくら・・・①「(接頭語)/くら(岩くら・神の座)」、②「さく/ら」、「咲く/等」
②さくらを詠んだ歌(3つの短歌を紹介)
・岡本かの子の歌、NHK歌壇の歌、尾崎左永子の歌
③万葉集で詠まれている桜の歌
「あをによし 奈良の都は 咲く花の にほふが如く 今盛りなり」 (国歌大観番号(三二八)、小野老(おののおゆ))⇒(あをによし…”奈良”にかかる枕詞)、(花…桜or藤)、(にほふ…現在の”匂う”の意ではなく、映える・映発(目に見える情景)をいう)
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2.万葉集の学習教材
①書籍:「万葉集」(坂本勝監修・青春出版社刊)
②系図資料:皇室と蘇我氏、天智・天武天皇を主とした系図など。
③レジメ(古典コミック)etc.
3.時代背景を知り、歌を詠む
・レジメの古典コミック「万葉集」、教材の「万葉集」(青春出版社刊)と系図資料で時代背景を知り、歌を詠みます。…ユニークな「万葉集」の講義で、ややこしい時代背景がよくわかり、初心者にも楽しく学べます。
・今日詠んだ歌(時代:大化の改新のはじまり)(長歌)・・・「大和(やまと)には 群山(むらやま)あれど…天の香具山(あまのかぐやま) 登り立ち 国見をすれば 煙(けぶり)立つ立つ・・・うまし国そ 蜻蛉島(あきづしま) 大和の国は」((二)、作者:舒明天皇)
*蜻蛉島(あきづしま)は日本のことで大和を導く枕詞です。⇒収穫の豊かな所の意味で、蜻蛉(トンボ)は豊作のしるし。
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*辻 孝子先生からのメッセージ*
『わが国最古の歌集「万葉集」。1300年前の人々が、季節に、恋に、また親しい人との別離に、さらには人生の晩年を迎えて何を思い、どう感じていたのでしょうか。7世紀、8世紀の時代背景とともに、今も変わらぬ普遍の人の情に心を寄せて行きます。そのことはとりも直さず、現代に生きる私たちに、生きる示唆と活力と豊かさをもたらしてくれることでしょう!』