(%紫点%) 前期講座(文学・文芸コース)(全14回講義)の第6回講義の報告です。
・日時:4月28日(木)午後1時30分〜3時30分
・場所:すばるホール(3階会議室) (富田林市)
・演題: 「万葉空間」(2) 〜万葉集の世界に遊んでみませんか〜
・講師: 辻 孝子先生(カルチャー講師)
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(%エンピツ%) 講義の内容
1.二十四節気と歌
<初夏>
・「立夏」(りっ か)」(5/6)夏の始まる日
・「小満(しょうまん)(5/21)あらゆるものが成長する
《しきみ・樒》
(4476)「奥山の しきみが花の 名のごとや しくしく君に 恋ひ渡りなむ」(大原真人今城)
・しきみ=しきり(頻り、重きり)
・悪しき実=あ(×) しきみ(葉や枝・樹皮を傷つけると独特の良い香りがする→ 抹香、線香の材料)
《菫、スミレ》
(1444)「「山吹の 咲きたる野辺の つほすみれ この春雨に 盛りなりけり」(高田女王)
(1424)「春の野に すみれ摘みにと 来し我そ 野をなつかしみ 一夜寝にける」 (山部赤人)
(俳句)「山路来て 何やらゆかし すみれ草」(松尾芭蕉)
(短歌)「母にそひて はじめて菫 わが摘みし 築土ふりたり 岡崎の里」(与謝野鉄幹)
2.今日の「万葉集」
(3) (長歌) 「やすみしし わご大君(おおきみ)の 朝(あした)には・・・ 夕(ゆふへ)には・・・ 梓(あづさ)の弓の・・・音すなり 朝猟(あさかり)に・・・ 暮猟(ゆふかり)に・・・音すなり」(中皇女(なかつすめらみこと)の間人連老(はしひとのむらじおゆ))
・やすみしし:「わご大君」の枕詞。−このうたの大君は舒明天皇のこと。
・この長歌は、舒明天皇が宇智の野で猟りをされていたとき、中皇女の間人老をして献上した歌ということになっている。
・中皇女の間人老については、同じ人物のことを指すのかまたは二人の人物をなのかはっきり分っていない)−(中皇女=間人皇女(はしひとのひめみこ)=舒明天皇の娘。天智天皇・天武天皇の妹。のちの孝徳天皇の皇后。)
(4 )(反歌) 「たまきはる 宇智(うち)の大野に 馬並めて 朝踏ますらむ その草深野」(中皇女の間人連老)
(対訳)「宇智の大野に馬を並べて、朝の猟(かり)をしておいででしょう、その草深き野よ」
・宇智:奈良県五条市宇智
・たまきはる:宇智の枕詞
*(参考)*
−「歌」は言霊…当時、留守を守る女性は、家を離れて旅する男性の身を案じ、一心に旅の無事を祈る歌を詠みました。その歌が言霊となって男性の身を護ってくれるものと信じて。「反歌」とは、長歌と同じような意味の内容を繰り返すことで、その言霊としての効力をさらに深めようとしたものだった。
(サイト「万葉集入門」より。 http://manyou.plabot.michikusa.jp)
(1511) 「夕されば 小倉(をぐら)の山に 鳴く鹿は 今夜(こよひ)は鳴かず い寝(ね)にけらしも」(舒明天皇)
(対訳)「ゆうがたになると小倉の山で鳴く鹿は今夜は鳴かない、もう寝てしまったらしい」
・小倉:奈良県桜井市か
・この歌は、雄略天皇の作という説もあり
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【次回の講義日程】
*歴史コース(第7回):「楠木正成と元弘動乱」(堀内和明先生)(5月10日(火))
*文学・文芸コース(第7回):「万葉空間(3)」(辻孝子先生)(5月12日(木))