『大阪城と浅井三姉妹』(公開講座)

(%青点%) 公開講座の報告です。
・日 時: 8月23日(火)am10時〜12時
・場 所: すばるホール(小ホール) (富田林市)
・演 題: 『大阪城と浅井三姉妹』〜大河ドラマ「江−姫たちの戦国−」をめぐって〜
・講 師:跡部 信先生(大阪城天守閣 主任学芸員)
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*右は大阪城天守閣です。(大阪城天守閣発行のパンフレットより)
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「関係年表」
・1567(永禄十)年…市が近江国・浅井長政に嫁ぐ。三姉妹が生れる。
・1573(天正元)年…小谷城の戦い。信長と長政が対立。長政は切腹。市と三姉妹は救出。
・1582(天正十)年…本能寺の変。山崎の戦い(秀吉⇔明智光秀)。
・1583(天正十一)年…賤ヶ岳の戦い(秀吉⇔柴田勝家)。勝家と市は自害。三姉妹は秀吉に預けられる。
・[大坂城]:1583年から15年余りの歳月をかけて豊臣秀吉によって築造。
・1585(天正十三)年…秀吉、関白となる。
・1592(文禄元)年…「文禄の役」。1597(慶長二)年…「慶長の役」
・1598(慶長三)年…秀吉、伏見城で病没。
・1600(慶長五)年…関ケ原の戦い。
・1605(慶長十)年…徳川秀忠、二代将軍に就任。
・1614(慶長十九)年…大坂冬の陣。
・1615(慶長二十)年…大坂夏の陣.。秀頼と淀君は自害。
・1616(元和二)年…家康死去。
・1623(元和九)年…秀忠→家光に将軍職を譲る。
・1632(寛永十九)年…秀忠死去。

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(%エンピツ%) 講義内容
正室と側室たちの関係は?
・秀吉から”おね”(正室)宛ての手紙
戦国女性の政治力
・侍女孝蔵主(こうぞうす)の権勢
・女性の政治関与
淀殿は家康と再婚することになっていたのか?
・淀殿、密通のうわさ(フロイス「日本史」、姜沆「看羊録」)
江は嫉妬深かったのか?
・「姉さん女房で、多産のうえ嫉妬心が強く、将軍秀忠は恐妻の江には頭があがらなかった」という江のイメージ
関ケ原合戦と三姉妹・北政所
・一般には淀殿西軍、北政所東軍といわれるが…関ケ原合戦は豊臣対徳川の戦いではない。
大阪の陣と三姉妹
・お初(常高院)の和平交渉
秀吉は女癖が悪かったのか?
信長・秀吉・家康の人物像

(文献)
・「豊臣秀吉書状」
・「毛利輝元書状」
・「細川忠興書状」
・「北野社家日記」
・「多聞院日記」
・「時慶記」
・「筑紫文書」
・林羅山「大坂冬陣記」
・「駿府記」…[家康側近が書いた日記。駿府在城(1911−1915年)時代の家康を中心とする政治情勢などが記される。]
・ フロイス「日本史」・「日欧文化比較」…[ルイス・フロイス:ポルトガル出身の宣教師。イエズス会員として戦国時代の日本で宣教し、信長・秀吉らと会見。フロイスの「日本史」は戦国時代の貴重な資料です。]
・姜沆「看羊録」…[姜沆(かん・はん):朝鮮李氏王朝時代の官人。慶長の役(1597年)の時、捕虜となり日本に来る。約3年にわたる俘虜生活の見聞記(日本制度や情勢)が「看羊録」です。] ・・・他。

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(%ノート%) アンケートの一部紹介
・「タイムリーな話題であり、歴史的な話で、楽しく理解できました。」(男性、60代)
・「大河ドラマを見て、とても興味を持ち、より詳しく聞きたく、参加しました。」(女性、60代)
・「夏の一服の清涼剤のような楽しい、歴史に親しみを感じさせるお話しでした。資料が豊富で日頃の研究ぶりがしのばれました。」(女性、70代)
・「知られざる裏話的な内容で、とても引き付けられました。資料が4枚でしたが、時間が無くなり、全てを聞くことが出来なく残念でした。」(女性、50代)
・「いろいろな史実があるものだ。面白かった!。」(男性、60代)
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(%黄点%) NHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国〜」について
・大河ドラマを観ている人は?→手をあげたのは、当日参加者の7〜8割。
・このドラマは斬新な演出です。…“本当かな”と思うシーンが、度々、出てきます。
跡部講師の見解・・・”あったことがあるかもしれないが、ないかも知れない。あきらかに、ないとは言えません”。
・豊富なレジメの「文献」(史料)を読むと、戦国時代の女性の結婚・政治関与などが、今まで思っていたイメージとかなり違うことに驚かされます。
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*シニア文化塾の「公開講座」は、今回で第三回の開催になります。今後も、タイムリーな話題などを題材にして、公開講座を開催する予定です。