『住吉大社1800年祭』・・・現地講義

(%緑点%) 後期講座(歴史コース)の第3回講義の報告です。
【現地講義です】
・日 時:9月27日(火)am10時〜12時
・集 合:住吉大社・太鼓橋
・内 容: 「住吉大社1800年祭」
・講 師:桧本多加三先生(雑誌「堺泉州」編集長)
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*右は、当日(9月27日)の午前9時過ぎの住吉大社境内です。
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(%エンピツ%) 「見学コース」
太鼓橋−誕生石→「第三本宮」・「第四本宮」・「第二本宮」・「第一本宮」−御文庫−楠君社(初辰さん)−石舞台−卯の花苑−滝−五大力(五所御前)−石燈籠・石碑
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[住吉大社のあらまし]
・大阪府大阪市住吉区住吉にある神社で、摂津国一宮、「延喜式」神名帳の名神大社。
・住吉神社は、全国に約2千余社あるといわれ、住吉大社は総本社。
・地元では、「すみよしさん」または「すみよっさん」とよばれ、毎年、初詣の参拝客が約200万人を超える。
・四つの本宮(本殿)は、いわゆる”住吉造り”といわれる建築様式で、西向き(海に向かって)に建てられ、四殿とも文化7年(1810)の改築であり、すべて国宝に指定。
・「古事記」では墨江大神。「日本書紀」・「万葉集」では住吉と書いて、スミノエと訓じている。(万葉集では、住吉(すみのえ)、清江(すみのえ)、墨之江(すみのえ)、須美之江(すみのえ)という文字が見える)
・古くは海が境内の近くまでせまっており、海に関する神として信仰が厚い
・海・航海の神、縁結びの神、子宝の神、農業の神
・遣隋使・遣唐使の守護神、和歌の神

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(%エンピツ%) 「誕生石」
・薩摩藩の藩祖・島津忠久(ただひさ)が誕生した場所で、安産の信仰を集めています。
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*右は、桧本先生から「誕生石」の由来などを聞いているところです。(この「誕生石」については、ほとんどの人が知りませんでした。)

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(%エンピツ%) 「第一本宮」・「第二本宮」・「第三本宮」・第四本宮」
「祭神」 …第一本宮−底筒男命(そこつつのおのみこと)、第二本宮−中筒男命(なかつつのおのみこと)、第三本宮−表筒男命(うわつつのおのみこと)、第四本宮ー息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)(神功皇后)
「由緒」 【「古事記」上つ巻(伊耶那岐(イザナギ)/伊耶那美(イザナミ)】⇒(概要)「イザナミノミコが、汚れを清めるために海に入って禊払い(みそぎはらい)したとき…水底ですすいだ時に生じた神の名が「底筒男命」、水の中ですすいだとき時に生れた神の名が「中筒男命」、水の上ですすいだ時に生まれた神の名が「表筒男命」。この三神は、住江(すみのえ)に祀られる三座の大神である。】、そして、【第21代雄略天皇の時、三神のほか神宮皇后を合祀】
「鎮座」 (神さまの地を定めて、お祭りすること)…神功皇后摂政十一年(211年)辛卯歳(かのうのとし)の卯月(うづき)の上卯日(かみのうのひ)に御鎮座されて、今年(平成23年−2011年)で1800年を迎えた。
・神功皇后…「日本書紀」などによれば、201年から260年まで政事を執り行った。夫の仲哀天皇の急死(200年)後、朝鮮半島に出兵して新羅の国を攻める(三韓征伐)。新羅からの帰途、急に船が進まなくなるという変事が起こり、その時、住吉大神(三神)の力をいただいたことがきっかけとなり、帰国後、住吉(すみのえ)の地に住吉大神を鎮座。

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(%エンピツ%) 「楠君社」・「石舞台」・「五大力」・「住吉鳥居」・「反橋」・「石燈籠・石碑」
☆楠君社(なんくんしゃ)(初辰まいり) (右の写真)
・毎月の初辰日、楠君社(なんくんしゃ)に商売繁盛を祈願します。
☆「石舞台」
・慶長十二年(1607)豊臣秀頼公の寄進。
・日本三大舞台の一つ。
☆ 「五大力」(ごだいりき)
・「五」「大」「力」の文字が記された三つの石を探り出し、願掛けのお守りにします。
☆「住吉鳥居」
・柱の断面が円形ではなく、方形で珍しい。
☆反橋(そりはし)(太鼓橋)(右下の写真)
・慶長年間(1596〜1615年)に淀殿が寄進。

★「石燈籠」・「石碑」
・境内や住吉公園には全国から寄進された石燈籠が650基。
・石に刻まれた寄進者は…「木綿屋」、「大阪問屋中」、「呉服古着中」、、「材木商」などのギルド(当時の勢力者とその後の栄枯盛衰を物語る)。
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[現地講義の感想]
・今日は、いつもの「すばるホール(3階会議室)」から出て、住吉大社での現地講義で、参加者は女性18名、男性40名の計58名でした。
・桧本先生の名調子と”ぬけるような秋空”という天候に恵まれ、2時間が短く感じました。
・初詣に何回も参拝している「住吉大社」について、いかに知らなかったかを…痛感させられました。
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*桧本先生よりのメッセージ
”地元の神社を、見学することをおすすめします”
「地元の神社に行って、由来を学ぶとともに、石燈籠・石碑などで当時の勢力者、その後の栄枯盛衰を知ることにより、より地元に興味がわいて来ます。」
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(%ノート%) 歴史コースの次回講義(案内)
・日時:10月4日(火)am10時〜12時
・場所:すばるホール(3階会議室)
・演題: 「前方後円墳時代」
・講師:笠井 敏光先生(文化プロデューサー)