ムソルグスキーの《はげ山の一夜》〜ロシア音楽の愉しみ〜

(%紫点%)前期講座(文学・文芸コース)の第4回講義の報告です。
・日時:4月3日(木)午後1時半〜3時半
・会場:すばるホール(3階会議室)(富田林市)
・演題:音楽教室 「変容する《禿山の一夜》−ムソルグスキ−とロシアの伝説−」
・講師:近藤秀樹先生(大阪教育大学非常勤講師)
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今日は音楽の講義です。近藤先生持参のCDとDVDで、《禿山の一夜》を愉しみました。(近藤先生は、中学生の時、《禿山の一夜》に出会い、音楽の道に進まれました。)
ムソルグスキー(Modest Mussorgsky 1839-1881)は、ロシアを代表する作曲家で、バラギレフの指導下に出発し、交響詩《禿山の一夜》、ピアノ曲《展覧会の絵》、歌劇《ポリス・ゴドノス》などが代表作とされる。ボロディンやリムスキー=コルサコフと「ロシア五人組」を結成し、ロシア的なものの音楽的表現に取り組む。チャイコフスキーと双璧の作曲家。

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「禿山の一夜」の物語
『小高い山の麓で眠りについた若者が夢をみた。闇の王国があたりを支配。続いて闇の神(チェルノボーグ・黒い神)が登場。そして禿山の一夜の狂乱(チェルノボーグへの賛美と黒ミサ、魔女たちの饗宴)。宴が最高潮に達した時に教会の鐘(朝を告げる鐘)。悪魔たちは夜明けとともに消え去っていく。』—聖ヨハネ祭の前夜に禿山に集まる悪魔・魔女たちがを描いている。
リムスキー=コルサコフ編曲版
ムソルグスキーの草稿をもとに、友人リムスキー=コルサコフが編曲、管弦楽化。1886年に出版。1889年パリ万国博覧会で初演。長い間、この編曲した版が広く知られていたが、近年、ムソルグスキー自身の手による原典版も知られるようになった。
ムソルグスキー原曲版
ムソルグスキー原典版《禿山の一夜》は、朝の場面がなく ムソルグスキーの典型的作風を示すものとして普及している。

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映画『ファンタジア』*アニメになった《禿山の一夜》*
ウォルト・ディズニーによる長編アニメ映画『ファンタジア』(1940年製作)に利用されて有名になる。
・クラッシックの名曲(《禿山の一夜》とシューベルト《アベ・マリア》)に、独自の解釈に基づくアニメをつけた作品((セリフはない)。

**あとがき**
・ムソルグスキーは、正規の音楽教育を受けず、未完の作品多数で、アマチュア的と独創的という両方が評価されている。
・ムソルグスキーは、プロ意識が高く、作品の仕上げが悪いのはワザとではないかと言われている(きれいに仕上げることに関心がない)。ゴツゴツした曲。⇔チャイコフスキーは、きれいにまとめられた曲。
・自分の書いた曲が売れなくて困窮し、アルコール依存症で、若くして(42歳)死去。
・ネットで、「禿山の一夜」と入力して検索すると、曲を聴くことができます。(中学生の頃、一度は鑑賞教材として聴かされる曲です。)