チャイコフスキ−《金平糖の踊り》〜名曲再入門〜

(%紫点%)前期講座(3月〜7月)(全13回講義)の第11回講義の報告です。
・日時:7月2日(木)午後1時半〜3時半
・会場:すばるホール(2階カルチャールーム)(富田林市)
・演題:金平糖の踊り〜チャイコフスキ−≪くるみ割り人形≫を聴く
・講師:近藤秀樹先生(大阪教育大学非常勤講師)
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チャイコフスキ−の略歴
ピヨトール・チャイコフスキ−(Pyotr Tchaikousky 1840−1893年)はロシアの作曲家。≪白鳥の湖≫≪眠れる森の美女≫≪くるみ割り人形≫…現在では三大バレエと称せられる傑作を作曲したチャイコフスキ−。バレエのみならず、交響曲・オペラ・協奏曲などにも名曲が多い。

バレエ《くるみ割り人形》
ドイツの作家ホフマンの原作を、フランスの文豪デュマが書き改めた童話『くるみ割り人形とねずみの王様』に、音楽をチャイコフスキ−が作曲、バレエの振付師プティバが台本を担当、初演は1892年。
あらすじ
・右の写真は、くるみ割り人形。(人形の形をしたクルミを割る道具)
「第一幕」
クリスマスの夜に行われたクリスマスパーティで、主人公のクララが、ドロッセルマイヤーおじさんからくるみ割り人形をプレゼントされます。もらってすっかり気に入ってしまう。夜中に、クララがくるみ割り人形を取りに客間に降りると、そこへねずみの大群が登場。くるみ割り人形の指揮する兵隊たちとねずみたちの間で激しい戦いがくりひろげられ、クララはピンチにおちいったくるみ割り人形を助けようと、部屋履きをねずみの王様にぶつける。危ういところを助かったくるみ割り人形は、素敵な王子様に変身。クララをお菓子の国に連れてゆく。
「第二幕」
クララと王子様はお菓子の宮殿に到着。二人を歓迎してお菓子の精たちの華やかな踊りがつぎつぎと繰り広げられる。アラビアの踊り、中国の踊り、ロシアの踊り、そして花のワルツ。その最後に金平糖の妖精があらわれ、そして、二人はパ・ド・ドウを.踊る。

組曲《くるみ割り人形》
チャイコフスキ−は、バレエ曲から音楽演奏会用に8曲抜粋し、組曲《くるみ割り人形》として改編している。(1)-小さな序曲 (2)-a.行進曲 b.金平糖の踊り c.ロシアの踊り d.アラビアの踊り e.中国の踊り f.あし笛の踊り (3)花のワルツ
(注)曲の順序は、もとのバレエとは違う。

◆〈金平糖の踊り〉とバレエ《くるみ割り人形》
〈金平糖の踊り〉は、チャイコフスキ−作曲のバレエ音楽《くるみ割り人形》の中の一曲。
・金平糖…アーモンドなどを色とりどりの糖衣でくるんだ菓子(ドラジン)というお菓子。出産祝い、結婚祝いにこれを贈る習慣がある。この妖精が登場するのは、バレエ《くるみ割り人形》の第二幕が、お菓子の舞台としているためである。
・〈金平糖の踊り〉にはチェレスタという新しい楽器が使われ、チェレスタを使った名曲第一号となった。

「花のワルツ」観賞
DVDで、バレエ《くるみ割り人形》の「花のワルツ」を観賞。
・大勢の金平糖の精の侍女たちが踊りを披露する場面の音楽は〈花のワルツ〉で、華やかな曲です。
・有名な〈花のワルツ〉も終わって、バレエも終盤にさしかかるころ、いよいよ金平糖の精が本格的に踊る場面がやってくる。それが第二幕の「パ・ド・ドゥ」。
(注)「パ・ド・ドゥ」(仏:Pas de deux 二人のステップ)…バレエ作品において、男女2人の踊りによって展開される踊りをいう。多くはバレエ中の最大の見せ場になっている。「パ・ド・ドゥ」は多くの場合、次のような流れになっている。〔①アダージュ:ここで二人が一緒に踊る。ゆったりとした音楽が用いられる。②ヴァリアシオン:舞台の二人が一人ずつ順にソロの踊りを披露。③コーダ:再び二人が一緒に踊る。ここは軽快な音楽。〕
**右上のプリンシバル(バレエ団で最高位のトップダンサー)は、日本人・吉田都(よしだ みやこ)さんです。

**あとがき**
・今日は、音楽専用の部屋(カルチャールーム)での講義。近藤先生持参のCD・DVDで音楽とバレエの解説で楽しんだ2時間。
・バレエの面白さとすごさ…花形ダンサーによるパ・ド・ドゥ、大勢の群舞など、華やかさだけでなく、ダンサーの卓越した技巧もふくめ、バレエの奥深さを少しですが味わいました。