(%紫点%)後期講座(文学・文芸コース)の第6回講義の報告です。
・日時:11月15日(木)午後1時半〜3時半
・場所:旧田中家住宅 (富田林市寺内町)
・演題:「香道入門」〜源氏香を楽しむ〜
・講師:神垣 裕香先生(泉山御流 南大阪支部長)
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*復習 (前回:6月21日(木)「伝統を持つ香りの芸術」(香道入門))
・日本人とお香の係わり…「仏教伝来と香木」、「平安時代・[薫物(たきもの)」、「鎌倉〜室町時代・組香(くみこう)」、「香木の種類」など
・香を聞く[聞香(ききこう、もんこう)]、「聞香炉(ききこうろ、もんこうろ)」
・組香…それぞれ味わいの違う香りを楽しみ、その異同をあてるというゲームで、組合せは、数百種類。
・6月21日は、主題「七夕」(星合香)…香は三種。《結果:11名の参加者で、3名が正解》
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(%エンピツ%) 講義の内容
*上記の写真は、旧田中家住宅での講座風景です。
1.参加者
・組香の参加者:20名(男7名、女13名) (見学者:3名)
(参加者のほとんどが初心者です。)
・スタッフ:神垣先生を含め5名(午前11時前から準備)
・会場は、寺内町・旧田中家の和室を使用。
-床の間は、香道関係の飾付をします。
-聞香は、畳の上に、直に座って行います。(足など悪い方には座椅子が用意)
・聞香の本番前に、スタッフから参加者に香炉などの作法を教示。
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2.源氏香(げんじこう)
・作法
①順次五つの香炉が回ってきます。
・参加者それぞれが香気を聞き、その異同を判断します。
②解答用紙に、右から五本の縦線を引き、同じ香りと思えば上部を横線でつなぎます。
③対応する源氏物語の巻名を書き添えます。
(源氏香の図−「巻名」について)
・組合せは、五十二通りあることから、源氏物語五十四帖のうち、巻頭の「桐壺」と巻末の「夢浮橋」を除いた五十二の巻名が、それぞれの図柄に付されています。
*源氏香の図は、本来、組香の答えを表した図形ですが、意匠のもつ魅力から染織、漆工芸、やきもの、錦絵、和菓子などのさまざまな分野で用いられています。
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3.結果報告
・参加者は、解答用紙に、名前を書き、五本の縦線と同香の横線で答えを完成して、対応する巻名を書き添えます。
・それをもとに、執筆役は、組香の記録を書きます。
○今日の組香は、香三種。一番目と三番目および四番目と五番目がそれぞれ同香で、二番は単独の香でした。→ したがって、「源氏香の図」の巻名は、 「早蕨」です。
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*右は、執筆役が書いた源氏香の記録をもとに、結果発表です。
【結果】20名の参加者で、正解者は4名でした。
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**感想記**
○「右手で香炉を取って左掌にのせ、左回りにまわし、親指を香炉の縁にかけて安定させる。そして、右手で香炉をおおい、親指と人差指の間から三息に聞く」。この所作を5回繰り返します。銀葉とよばれる雲母の上で温められた香木の小片は、ほのかにしか香りません。・・・今日の講座は、香りを楽しみ、日常を離れた世界の数時間でした。
○右上の写真が旧田中家の表玄関です。明治期民家の特色をよくとどめた歴史的建築遺構として保存され、文化的活動の場として有料で利用されています。今回、シニア文化塾としては初めて利用しました。今後も機会があれば、利用したい施設の一つとなりました。