遺跡の見方「古代寺院」

(%緑点%) 後期講座(歴史コース)(9月〜1月:全14講義)の第12回講義の報告です。
・日時:12月18日(火)am10時〜12時
・場所:すばるホール(3階会議室) (富田林市)
・演題:遺跡の見方「古代寺院」
・講師:笠井 敏光先生(文化プロデュサー)
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*遺跡の見方については、4回シリーズで講義。
・第1回:「弥生集落」(H24.4.3)
・第2回:「古墳施設」(H24.6.5)
・第3回:「古代宮都」(H24.7.3)
・第4回:「古代寺院」(H24.12.18)

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(%エンピツ%) 講義の内容
・仏教の公伝は、『元興寺縁起』には538年、『日本書紀』では552年の二説があるが、欽明朝のとき百済からもたらされた。この6世紀中葉は、後期古墳期で畿内では前方後円墳の築造が行われなくなる時期で、新しい律令制度の導入を目指す過程であった。
・寺院は、588年の飛鳥寺(蘇我氏が飛鳥の地に本格的な寺院の建立)に始まる。
○「古代寺院」を見るポイント
伽藍配置(飛鳥寺式、四天王寺式、山田寺式、川原寺式、法隆寺式、薬師寺式)
・最も古い寺院伽藍は、「飛鳥寺式」(一塔三金堂式)であるが、「四天王寺式」(南大門・中門・塔・金堂・講堂が一直線に並ぶ)が主流。「法隆寺式」(塔と金堂が並列)、「薬師寺式」(東・西両塔が作られる)。
*伽藍配置の見方…“塔の位置はどうか”、“廻廊がどうなっているか”、“金堂と塔はどうなっているか”などの考察。

・軒丸瓦の文様(いろいろな蓮華文)…素弁・単弁・複弁
*瓦の見方…“文様はどうか”、“同笵瓦かどうか”、“瓦は移動する”
(注)同笵瓦:同じ型で繰り返し作られた瓦をいう。木製の笵型は長期間使用しているうちに割れたり、やせたりし、傷として瓦文様に残る。この傷を観察することにより同笵の認定や先後関係がわかる。
塔の礎石

飛鳥時代前期には、一部の先進豪族などによってのみ造られていた寺が、飛鳥時代後期には、各地の豪族が氏寺を造立し、寺院が広がっていった