第37回 千里コラボ大学校を6月8日(土)に開催致しました。
恒例の音楽演奏は、曲目紹介を加福共之さん、ピアノ演奏は
川上時子さんによる、ドビュッシー作曲版画の「雨の庭」を
お楽しみ頂きました。暦の上では梅雨の季節なのに雨が望ま
れる日々、色々な雨模様を奏でるピアノの音が、心地よく身体
に染み込んでくる感触を楽しみながら、聞き入っていました。
講演は「大徳寺・三玄院月釜の懸釜をさせて戴いて」と題して、
菅扶美子さんに昨年10月28日(日)の月釜の懸釜の模様を、
お話して頂きました。
菅さんは娘の頃よりお茶との関わりをもたれたこと。結婚までの
15年間ほどは楽しいお茶だったとのこと。最初の頃は勤務先の
会社のお稽古1回と個人の先生のお稽古2回、そしてお煎茶の
お稽古1回で、週4回のお稽古三昧の様子を語られました。
結婚して蛍池に住まいを移し、2人の娘さんもお茶を嗜んでいる
とのこと等を、お話頂きました。
大徳寺の月釜は、お茶の祖である利休居士のご命日である
28日に各塔中で懸けられています。三玄院は表千家と関わり
が深く、開祖春屋和尚は利休像を山門に安置するようにされた
方であり、表千家二代少庵、三代宗旦ともに春屋和尚に参禅
されました。
開催当日は雨模様でした。菅さんが7時頃に三玄院に伺うと、
既に和尚さんが草を引いておられたとのこと。この臨済宗の
塔中の庭は、この様にして人々の心に訴える美しさが保たれ
ているのか、と思われたそうです。三玄院は一般公開されて
おりません。灯篭を配した庭の佇まい、露を湛えた広葉、
枯山水の石と砂の取り合わせ等、何枚かの写真で紹介して
頂きました。
お茶会は、1席35名を9席、催されたそうです。夫々の正客の
方々から色々と教えて頂いて大変感謝しているとのことでし
た。併せてこの機会を与えて頂いた方々、準備も含めて当日
の運営に協力して頂いた方々、そしてこの雨の中参会して
頂いた方々、等への感謝の気持ちを強く話されました。
こういった感謝の気持ちが歴史に裏付けられる日本文化を
支えているのではないか、と感じながら聞き入っていました。
掛物・花入・茶壺・水指・菓子器等、当日使用された品々の紹介
をして頂きました。夫々についての由来等を映像で説明して頂き
ました。こうしたお道具類の取り合わせが、自分の心の表現方法
である、とのお話でした。私のような素人には理解することは困難
ですが、少なくともお茶の世界の奥深さを物語っているものである
ことは理解出来ました。
講演の途中休憩前に、菅さんからサプライズがありました。
講演終了後皆さんにお茶を差上げたい、とのお話があり、会場は
一瞬どよめきました。事前に器と和菓子、そしてお点前する方、
お配りする方を友人に依頼して、事前準備が整えられていました。
講演終了後順次お茶を嗜んで頂き、講演会は終了致しました。
受講者から寄せられたアンケートには「お茶の経験はないけど、
その奥深さが分った」「頂いたお茶が心を和ませてくれた」等の
ご感想を頂きました。
菅さんどうもありがとうございました。
本日のテーマに関連する図書紹介を千里図書館司書の久山
理恵さんにご準備頂きました。当日は久山さんのご都合により、
図書は展示して皆さんに見て頂きました。
(原田)