第41回 千里コラボ大学校を11月9日(土)に開催致しました。

第41回 千里コラボ大学校を11月9日(土)に開催致しました。

・講演会のオープニングは恒例どおり音楽演奏。今回はヘンデル
作曲アリアと変奏曲「調子のよい鍛冶屋」を、川上時子さんの解説
とピアノ演奏でお楽しみ頂きました。

・講演は「地球温暖化と海面上昇」と題して、岡田東一さんにお話
頂きました。

・この夏の異常気象、特に連続した異常高温、記録的な大雨、
竜巻そして海水温の上昇によるマグロ・サンマなど漁業の異変
などは、誰もが体感されたことでしょう。これは人類が産業革命
以降化石燃料を燃やし続けた結果、大気園のCO2濃度を増加
させ、地球の温暖化を加速させていることによる、と気象学者は
20年以上前から指摘しています。人類が今までどおりの生活を
続けると、50年後には地球の表面温度が平均2度以上上昇して、
温暖化地獄に突入すると言われています。

・アフリカのキリマンジェロの氷冠は減少を続け、2015年までには
完全に消滅すると考えられていること。また、チベットのゼブー氷
河は1960年までの100年間で7%短くなり、次の7%短くなるのに
40年しかかからなかった等の事例も報告されています。
国連の「気象変動に関する政府間パネル」(IPCC)の調査結果に
よると、今世紀末の世界の平均気温は最大4.8度上昇し、海面も
81㎝上がると予測しています。併せて、ご自身も参加された
タズマン湖の氷河の状況を映像を使って説明して頂きました。

・身近なところでは、大阪市近郊での海面上昇による影響につい
て、地図による浸水状況を説明して頂きました。加えて台風・津波
等の異常事態を想定すると、それは想像以上の広範囲な拡がり
をみせるだろうと、絶句する思いで聞きいっておりました。

・この惨事を食い止めるためには、空気中のCO2の濃度を500ppm
以下に抑える必要があります。このためには、米国人は年間20
トン/人CO2を、1.2トン/人以下に、日本・英国・ドイツ等の先進国
も年間10トン/人を、1.2トン/人以下にする必要がありますが、
産業界・一般市民などはこの実行に難色を示している現状であり
CO2の濃度は増加しています。また、中国・インド等の発展途上
国は経済活動・人口の増加と生活様式の向上等に伴いCO2の
発生量は増加する一方です。果して近い将来地球全体を巻き
込むことが予想される、この惨事は防げるのでしょうか。

・岡田さんは仰いました。この事実を若い世代に伝えたいとの想い
から、2007年から各地での講演、中・高校への出前授業などこの
講演が37回目であり、これを100回まで続けるとの決意を披露して
頂きました。

・受講者から頂いたアンケート結果からは、「自分はどうしたら
よいか」「今回の講演を機に意識を高め、少しでも減らす努力を
していきたい」等の声を頂きました。

・岡田さんには大変難しく且つ一般市民には馴染み難い問題を、
資料と映像をご準備頂き、分り易くお話頂きましたこと、厚くお礼
申し上げます。

・最後に講演に関する関係図書の説明を、多くの著書を準備して
頂き、千里図書館司書石田ひろさんに解説して頂きました。
ありがとうございました。

(原田)