第43回 千里コラボ大学校を1月11日(土)に開催致しました。
今月は「星座物語 オリオン座はすでに消えている」と題して、
野村重男さんにご講演頂きました。
・当校のオープニングは恒例の音楽演奏です。講演タイトルに
合わせて、演奏曲目はレイ・ハーライン作曲「星に願いを」を、
加福共之さんの曲目紹介、フルートの松林靖子さん、ピアノの
川上時子さんの演奏によりお楽しみ頂きました。特に松林さん
は明日のコンサートを控えてご多用のなかをご出演頂きました。
聴く機会の少ない生演奏、その穏やかな調べに心を癒されながら
聴き惚れていました。
・講演会は「星座物語 オリオン座はすでに消えている?」と
題して、野村重男さんにお話して頂きました。
野村さんには平成22年12月に「TOYONAKAの戦後史と私の
豊中」と題してご講演を頂きましたが、その折「星座」にも触れ
られて大変好評でしたので、今回お話を頂くことと致しました。
・お話は「星座」とは?から入りました。恒星をギリシャ神話の
人物・動物・器具などに見立てて、天球を区分したものであり、
古代ギリシャでは48星座であったが、後に南天の星座が追加
された。1928年国際天文学連合で全天を黄道12、北天28 、
南天48の 88星座に区分した。皆さんの関心のある「星占いの
12星座」は、メソボタミアの神官によって設定されたものと
言われている。
・冬の21時〜22時、南の空に「オリオン」が上がって参ります。
この赤い1等星「ベテルギュウス」、その左下の星空の中で一番
明るい「おおいぬ座」のシリウス、そしてベテルギュウスの左に
ある「こいぬ座」の1等星プロキオン、この3つの星が作る三角形
が、「冬の大三角形」と呼ばれているものです。
・宇宙の広さ・大きさは数字を聞いただけでは見当がつきません。
それ等を手作りの模型や、NHKやアイ・フォンの映像を使って
分り易く説明されました。太陽と太陽系の惑星の大きさと距離。
一枚の板の上に惑星の大きさを示す模型を作り、それを太陽から
の距離ごとに取り付けて説明されました。
・「天の川銀河」は直径約10万光年の大きさであり、太陽系はその
中心から約2.6万光年離れて位置しており、この太陽系付近では
秒速220㎞で銀河系の中心を回転し2億年で1周する。米航空
宇宙局のケプラー宇宙望遠鏡の観測データから、生命が存在する
可能性のある惑星が天の川銀河内に約100億個存在する?と、
カリフォルニア大学バークレイ校の研究チームの発表を紹介され
ました。
・平安末期から鎌倉初期の歌人で『百人一首』や『新古今和歌集』
の選者として有名な藤原定家の『明月記』に超新星の出現記録が
あります。これは定家が晩年、陰陽師・安倍泰俊(やすとし)から
聞いたもので、その一つが1054年7月4日の夜明け前に東山の
上に、新月前の細い月と明るい客星が見えたと記述されています。
この残骸は『かに星雲』、現在も秒速1500㎞の猛スピードで膨張
しています。ベテルギュウスのこのような変化を私達は見られる
でしょうか。大いに期待したいものですね。
・太陽系・宇宙・超新星爆発等の創造の世界を、映像とご自分で制作
された器具等で見える形で解説して頂き、理解し易くし楽しい講演で
した。私も童心に帰って宇宙の神秘に触れるとともに、冬の星座を
眺めて見ようと思いました。野村さんありがとうございました。
・講座の掉尾を飾って頂いたのは千里図書館司書の久山理恵さん。
今月も多くの図書を選別して展示して頂くとともに、各図書のページ
を開きながら興味深く解説して頂きました。ありがとうございました。
(原田)