3月25日、高知から桜満開の情報が届けられた、将に春到来という時期に開催しました。早春にふさわしいイタリア シチリア島とオーストリア生まれの女子高校生二人による、郷土紹介でした。参加者は過去最高の26名で、ドイツから帰国の小学生二人、ホストファミリーやAFSの方々など多数参加いただき、慌てて席を増やしました。女子高生なので、学校生活、キリスト教に因んだ12月の行事の話、それに、お年頃だけあってスイーツの紹介が満載でした。【左がエヴァさん、右がソフィアさん】

【シチリア島紹介 ソフィアさん(17歳)箕面高校在学】
 先ず紹介されたのは、方言のことで、イタリアは南北に長く、北と南で言葉が全く異なり、ソフィアさんは北の言葉はさっぱり分からないとのこと。人気のコメディアンが、南北各地の方言を上手に操り、会場を沸かせている動画を見せてくれました。
シチリア島はイタリア半島の先端、地中海の中央部分にあり、面積は北海道の1/3位です。紀元前4世紀ころの円形劇場や、神聖ローマ帝国時代の遺跡などが数多くあります。

学校の制度は、5・3・5制で、高校の授業は60分間、11時の10分の休憩以外休憩なしで、9時半〜1時半まであります。昼食は家に帰り食べます。英語と数学のスペシャルコースがあり、ソフィアさんは、英語コースを専攻。部活はありません。将来は、ロック歌手かジャーナリストになりたい。ライブ演奏しながら旅行をして多くの国に行け、多くの人と出会えるから。日本の音楽“miyavi”に興味があったので日本に来た。最後に、自分が作曲したという曲を、ギターで演奏してくれました。おとなしいリズムの曲で、激しいロックという印象は受けませんでした。

 <主な質疑>
(Q)帰国後はどうするのか。
(A)ロック歌手になれないかも知れないので、ジャーナリストの勉強をする。
(Q)日本で感じたカルチャーショックは?
(A)ウォッシュレットとお風呂

【オーストリア紹介 エヴァさん(15歳)千里高校在学】
エヴァさんは、写真に見るような、伝統衣装に着替えて、しかも36項目もの原稿を準備してプレゼンしてくれました。
オーストリアは中央ヨーロッパでドイツの南西に位置し、面積は北海道とほぼ同じ。家族は人口3千人位の村に住んでいます。公用語はドイツ語ですが、地域ごとにきつい方言があります。代表的な食べ物は、シュニッツェルで子牛の肉カツに似ています。日本の食物では、ランニング スシと言って回転ずしが人気だが、そう多くない。コンベアが2本あって、あったかい料理用と冷たい料理用に分けて使われる。

エヴァさんの学校は、カトリック系の中高一貫校で、城跡に建てられています。学校の制度は4・4・4制で、義務教育は9年間。その後、3コースが用意されています。文学と理学系の研究大学、経営や教職などのより実務的な高等職業教育校、これらは日本の大学に当る。それに職業専門学校がある。エヴァさんは文学系への進学を希望。高校は義務教育の後、言語と理科学コースに分かれて勉強します。1クラス24人で、言語コースは2クラスあるのに、男子は4人だけ。始業時間は7時半、50分授業で休憩は5分、昼休みも20分しかありません。1時限目の始めに立ってお祈りをしますが、先生に敬意を払わないし、先輩、後輩の関係もありません。日本の生徒のように授業中に居眠りしませんが、その替りいつも誰かがお喋りをしています。部活はサッカー、卓球と合唱部しかありませんし、練習は週1回だけです。

12月の行事には、キリスト教に因んだお祭りが盛りだくさん行われます。昔には子供たちは、5日の夜に願い事を書いた紙をブーツか、お皿に置き、玄関の前に置いて、プレゼントを入れてもらっていました。サンタの原型になったニコラウスが亡くなったのが、5日だったからという事です。ニコラウスは、杖を持ち籠を背負った悪魔のような顔をしたクランパスという鬼を連れています【写真参照】。
良い子はニコラウスからプレゼントをもらいますが、悪い子はクランパスの杖で打たれるとか、背中の籠に入れて連れ去られます。ソフィアのお父さんも籠に入れられた経験があって、心底怖かったと言う事でした。プレゼントは、人には見えないキリストの子供が、配るという事もあったようですが、今では日本と同じように父親の仕事になっています。

イブの日には、キリスト生誕の地ベスレヘムからウィーンまで、ローソクの火を運び、平和の願いとともに、各家庭のローソクに移します【写真参照】。
その際、寄付をすることになっています。この行事は、ウィーンからヨーロッパ各地に広がっているとの事です。本当に争いのない世の中になってほしいものです。
 最後に一言、殆どのオーストリア人はクラシック音楽が好きではないとのこと、日本の民謡と同じだろうか。プロを目指す音楽家は、ウィーンかイタリアに留学するのに。

<主な質疑>
(Q)なぜ日本で勉強したかった?
(A)日本のアニメ“NARUTO“を見て興味を持ったから。
(Q)言語コースではどんな勉強をしているか。
(A)英語、フランス語、スペイン語など。日本の様に集中した試験はないが、小さい試験がしょっちゅう行われる。
(Q)帰国してからの計画は?
(A)大学で言語の勉強をして、再度日本に来るかも知れない。韓国語も勉強したい。

【次回開催予定】 
5月13日(火) 10時〜12時 
JICAボランティアとして活躍された犬塚俊夫さんから、ネパールとチュニジアの興味あるお話です。奮ってご参加ください。

文責 濱崎