第49回 千里コラボ大学校を6月14日(土)に開催致しました。

第49回 千里コラボ大学校を6月14日(土)に開催致しました。

・オープニングは恒例の音楽演奏です。川上時子さんによる曲目
紹介と、第1ピアノの丹波淳子さん、第2ピアノの川上時子さんに
よる、ケテルビー作曲「ペルシャの市場にて」の連弾演奏を披露
して頂きました。丹波さんは濃紺を思わせるイスラムの服装で登
場で、その音色とともに会場一杯に満たさせて頂きました。やや
早めの力強いテンポとゆっくり柔らかく奏でられるリスムに、若き
日にLPで聞いた曲を生演奏で耳にする喜びをかみしめながら聞
き入りました。受講者の皆さんも心地よく午後の一時を過ごされ
た様子でした。

・講演は「阪神淡路大震災とボランティア」と題して、布川清司さ
んにお話して頂きました。

・平成7年1月17日(火)午前5時46分に発生した阪神淡路大震災、
6,430人の死者、43,773人の負傷者、512,846戸の住宅被害、約
283,000人の被災者等の状況から語り始められました。
死者の3分の1が70歳以上であること、また老朽化した木造住宅
が被害を多くした原因と考えられるとも語られました。

・この復興活動で活躍したのが「ボランティア」。その数130万人
以上と言われています。他人の不幸に冷淡と考えがちだった若
者達に、「若者に対する見方が変わった。今まで若い人を軽視し
ていた。しかし今回ボランティアに参加して、自ら進んで積極的
に素直に活動している若者達が光って見えた」等の多くの声が
寄せられました。その若者達の参加の動機は、「役に立ちたい」
が87.9%であったとのことです。

 ・次いでボランティアへの参加動機について触れられました。
その1つ目は「利他的動機」、義務感・使命感からの行動です。
①人間として黙って見ている訳にはいかない。
②傍観者であることに我慢がならなかった。行動しなければ
自分自身が許せなかった。
③私に出来ることは何でもしたい。気が付いたら電車に乗って
いた、等です。

・オープニングは恒例の音楽演奏です。川上時子さんによる曲目

2つ目は、「利己的動機」、自分探しの行動です。
①何も出来なくても自分の為に何かを見つけ出すために参加した。
②ホランティア活動は誰の為でもではなく、自分の為に行うのであ
る。
 そして究極のホランティアとは、「助けること」と「助けられること」
とが融合して、誰が与え、誰が受け取っているのか区分することが
重要でないと思えるような、不思議な魅力に溢れた関係ではない
かとも語られました。この救助活動の中から「ボランティア元年」と
いう言葉が生まれました。

・ところでその先進国と考えていたアメリカですが、ロスアンジェル
ス・タイムスが報じた、1994年ロスアンジェルス郊外で発生したノ
ースリッジ地震の他1例あるのみである。災害に対するボランティ
アの考え方の日米の相違があるのではないかとも語られ、これに
意外な感じを受けたのは私1人でしょうか。

・阪神淡路大震災のボランティア活動に参加した約11,000人に
対するアンケート回答者 3104人、の結果が紹介されました。

 代表的な設問 活動参加前(%) 活動参加後(%) 
 ① 自分も充実出来る活動 53.1 71.6
 ② 誰もが何かが出来る 49.2 77.7
 ③ 人間性を豊かにする 44.0 64.1
 ④ 苦労が伴う大変な活動 14.2 17.9
 ⑤ 自己犠牲の奉仕活動 26.2 11.1

・私達もこのコラボで市民の皆様方の交流のお手伝いをさせて頂
いておりますが、本日のお話をお聞きしてボランティアに期待され
ている事項を見詰めて直して、新たな気持ちで取り組んで参りた
いと再認識致しました。震災時神戸でのご勤務で得られた貴重な
体験をベースに、「ボランティアとは何か」まで語って頂きました。
ありがとうございました。

・講座の締め括りは、千里図書館司書・浅尾知弘さんの関連図書
の紹介です。ご多用の中、多くの著書を集めて展示し頂きました。
本日はこの中から2冊を紹介して頂きました。
①「ボランティアバスで行こう」。若者がボランティア活動バスを仕
立て、大学内から社会へとその活動範囲を拡げながら、人々の絆
を繋げていくお話。
②「歴史に学ぶ減災の知恵」。自然災害に対する建物対応。五重
塔が倒れないのは、単に芯柱があるからだけではなさそうである
等の大変興味あるお話。
 
*以上の著作は図書館資料のごく一部です。ほかにも多数ござい
ますので、気軽に図書館にお立寄りください。お待ちしております。

当校では下記の方々を求めています。お気軽にコラボ事務局まで
ご照会下さい。
・千里コラボ大学校でご講演頂ける方。
・ご講演者を紹介して頂ける方。

(原田)