1月のコラボ談話室「ブック&トーク」

1月9日(土)、コラボ談話室「ブック&トーク 本を持ち寄って話そう!」(話題提供:山添好美さん )を開催しました。参加者は16名(うち初参加2名)。山添さんは、最近「ビブリオバトル」や「まちライブラリー」など、本を通じたコミュニケーションの場が広がっています。千里でも本を通じた交流の場をつくりたい。今日は、その実現に向けた試験的な場として、コラボ談話室を活用する形で、参加者による本の紹介のあと、みんなでトークしたいと趣旨を説明しました。
そのあと、8人があらかじめホワイトボードに書いていた本を5分で順に紹介し、質問・感想を5分で出し合いました。書名と概要は次のとおり。

●『認知症になった私が伝えたいこと』(佐藤雅彦):「認知症は一気ではなく、徐々にやってくる」「認知症になると不便は増えるけど、不幸ではない」「認知症とそうでない人は共存できる」など、認知症の父をもつ自分は大いに励まされ、今後もバイブルにしていきたい。
●『たった一人の老い支度』(岡田信子):「老後にお金は必要だから、是非貯めて下さい」「セールスには絶対のらないこと」など、老後の生活にヒントを与えてくれる本
●『勇気づけの家族コミュニケーション』(野田俊作):「家族の性格を良くするのではなく、生かしていくことが大切」「コミュニケーションを通じて豊かな家族を築いていくこと」を示した本
●『イスラム文化−その根底にあるもの』(井筒俊彦):「イスラムの世界観は神と自分との契約によって成立している(他人は関係ない)」など、究極の個人主義を説いた本

●『スキップ』(北村薫):17歳の女主人公が25年後の42歳高校教師にタイムスリップし、戸惑いながらも娘や夫の協力で生きていくヒューマンドラマ。昭和40年代を懐かしみながら、娘や母としてなどいろいろな楽しみ方ができる本
●『追いかける大人の流儀』(伊集院静):ひとつのものにこだわると自分を見失う、追いかけて実現しないからと言ってくよくよするなと説く本
●『建築家 安藤忠雄』(安藤忠雄):貧しい家庭に生まれ、ボクサーもしながら、独学で建築を学び、ヨーロッパの町を回ったのちに建築設計事務所を立ち上げ、海外でも評価される建築家になり、東大教授まで務めた世界のアンド−の波乱に満ちた半生を綴った本
●『しんがりの思想』(鷲田清一):縮小社会では、登山に先頭で道を切り開く人より最後尾でみんなの安否を確認しつつ進む人、退却戦で敵の一番近くにいて味方の安全を確認してから最後に引き上げる人のようなリーダーが求められると説いた本

そのあと、全員による次のようなトークが続きました。
一般の読書会では、決められた本(文学中心)を読んで感想を発表し合うが、いろいろな本が紹介されるのにビックリした/文学だけでない、「知」に関するいろいろな本が紹介されるからおもしろい/本はあまり読まないけど、本の話を聞くのは好き/談話室に参加して気心が知れたメンバーが紹介する本だから、背景がわかって理解しやすい/紹介時間が5分は短いのでは?いや5分程度が良い

このあと、「どの本が読みたくなったか?」を投票し、最多票の「チャンプ本」を決めました。アンケートでは、この日の「ブック&トーク」を高く評価する意見が多数でした。これを受けて、「本を通じた集まり」が2016年度のコラボ事業としてスタートする予定です。みなさん、期待してお集まり下さい。

次回の予定は次のとおり。
●と き:2月6日(土)10〜12時
●ところ:2階 集会場
●テーマ「信じることの喜び、安らぎ」(話題提供:犬塚俊夫さん)
家族・友・教師・医師への信頼、先輩への尊敬など、信じることは喜び・安らぎです。宗教に見られるように強さでもあります。一方で欲が信頼を壊したり、政治が宗教を悪用することも少なくありません。この「信じる」をめぐって、シニア海外ボランティア(3カ国)経験のある犬塚さんの話題をもとにお茶を飲みながら話しましょう。

(やまもと)