第26回 千里コラボ大学校を開催致しました。

第26回 千里コラボ大学校を7月14日(土)に開催致しました。

オープニングは加福共之さんの解説に、川上時子さんの
ピアノと松林靖子さんのフルートによる、ハイドン作曲 
ソナタ ハ長調3・4・5楽章。受講者の皆さんは心豊かな
気持ちで、聞き惚れていました。

講演は「源氏物語 六条御息所」と題して、私、原田仁八が
語りました。

 私は第1回の「源氏物語 女君と男君の逢瀬」に
続いての登場。
 今回は特に女性に人気の高い「六条御息所」を取り上げ、
「葵」巻の、車争い・物の怪出現・御息所の衣に付いて芥子
の香の3場面を、「賢木」巻では、源氏が野宮を訪ねる名文
と言われる場面・野宮での別離・そして宮中での別れの櫛の
3場面、合せて6場面を皆様と一緒に原文で読みました。

これ等の場面に登場する主な人物とその系図を紹介して、
人々の相関関係を理解して頂きました。

 源氏物語はその内容をどのようにイメージできるか、
という点も大切です。そのため、車争いと野宮の場面の
「屏風絵」を紹介しました。併せて能の「葵上」の概要
と、その時の使われる「泥目」と「般若」の能面を、
「野宮」では、その概要と能面「深井」を紹介致しました。

別れの櫛の場面、「十六にて故宮に参りたまひて、
二十にて後れたてまつりたまふ。三十にぞ、今日また
九重を見たまひける」。源氏と別れて寂しく伊勢に下って
行く御息所の記述です。この短文の中に御息所の歓びと
哀しみが凝縮されており、私の好きな文節の一つです。

今回は激しくかつ微妙に揺れ動く御息所の心を読んで
頂きましたが、スポット的に取り出した箇所のみの紹介
でしたので、源氏物語に馴染んでおられない方にとっては、
やや難解であった、と思われました。

 最後に・・古文に馴れるには3年程の期間が必要です。
1人では困難です。皆さんと一緒に学んで頂く
ことをお勧めします、と伝え講演を終了いたしました。

講演後は恒例により、千里図書館の久山さんによる関連
図書の紹介をして頂きました。それ等の各本は、夫々
メリハリが効いており、読み物としても面白く、併せて
源氏物語の入門書としても適切なものと思われました。
(原田)