2月5日多目的スペースで開催しました。寒さが続く中、中国からは有難くないPM2.5の寒中見舞いも届いていますが、中国から帰化したロウバイが良い香りを届けてくれています。
今回は初参加の4名を含む計12名での開催。阪大留学生マウリ イマド(Maoult Imad)さんが自国モロッコを紹介。彼は4回生で応用物理のゼミでフォトニクスを勉強しており、博士課程へ進み将来も研究を続けたいとのこと。
モロッコは11世紀に栄えた国だが、先住のベルベル民族の地は古くは古代ローマの支配、アラビア民族の移住、近代はスペインやフランスの植民地となった/ローマ時代の遺跡も世界遺産として残る/王朝は1664年頃に始まるが、現在モロッコは立憲君主の王国で、1956年独立/フランスを追放したスルタンが、57年にイスラム国家を王国として、スルタンの称号を国王とした。 地勢的には北と西側は地中海と大西洋に面し、ジブラルタル海峡の北側はスペイン/南はアトラス山脈が聳え、3〜4000mの峰もある/南の一部はサハラ砂漠にかかる/東隣はアルジェリア。 国土は日本の約1.2倍、人口は3,200万人/首都ラバトの緯度は、大阪とほぼ同緯度/四季もあり、南部では夏は40℃を超すが、冬はアトラス山脈で降雪がある。地形的、気候的、民族的歴史的に変化に富んだ多層的な文化が存在する国。大都市として、ラバト、マラケシュ、フェス、カサブランカなどがあり、それぞれに特徴がある/マラケシュの旧市街で有名な観光地ジャマル・エル・フナ広場は、元は罪人の刑場だった所に人が集まった街/旧市街地の道路は、曲りくねった迷路のようで非常に狭く、人がすれ違うのも困難な程である。
以下、日本との大きな違いを紹介。 マウリさんの出身地マラケシュでは、中庭を囲んだ2階建ての四角い建物に、祖父母や親族一同が大家族で暮らす。 結婚式は短くても3日、長い場合は7日以上続く/一日目に、花婿側が日本の結納に当たる指輪などの品物やヤギを持参して、花嫁側に行く/披露宴の費用は花嫁側が持つ/花嫁は、花嫁衣裳を着けるほか、手の甲に細かい模様を描く/模様はHenna(ヘナ)と言われる植物から採った茶色い顔料で描かれ、結婚以外の祝い事の際にも行われる風習。 学校は6・3・3制だが、大学は3年間/授業時間は、小学生でも朝9時から夕方6時まで/昼休みが2時間と長く、家にご飯を食べに帰る/ラマダン(断食)期間中は9時から4時の短縮授業/小学校は義務教育で無料だが、教科書は有料で、未就学の子供も多い。 公用語としてのアラビア語とベルベル語に加え、フランス語も習い、高2から英語学習が始まる/因みに、マウリさんの父親は中学校の先生。 代表的な食べ物は、クスクスやタジンという土鍋料理で、一般的に蒸料理が多い/水が豊富でないためだとか/豚肉を食べないのはイスラム教徒共通。 国内にスペインの小さな飛び地が2カ所あり、出入りにはパスポートが必要。 民族音楽も残るが、現在は結婚式でも殆ど西洋音楽が演奏される/明治時代、日本が政府主導で西洋音楽を採り入れたのとは異なる。
次回は3月26日(火) 10〜12時
フィリピン人による農村開発のNGO活動の紹介
(文責 濱崎)