_殿(朝来市) 特産品開発案 伝説の山城アワビ

8月にも話題になっていた、竹田城跡の周辺の里山で、まだ紅葉の時期でもなかったのに、木々が赤く枯れてしまう現象。

クヌギやミズナラやコナラなどのナラ類の樹木が集団的に枯損する。「ナラ枯れ」の森林被害が拡大し続けています。

このピンチをなんとかチャンスに出来ないかと、殿(朝来市)では特産品の開発案が提案されました。

それが伝説の山城アワビなのです。どこが伝説かと云いますと。

殿(朝来市)の近くに、赤淵神社(朝来市和田山町枚田上山2115)という神社があります。

訪ねてみますと、社頭には明神鳥居の横に自然石で出来た「式内赤渕神社」の社号標が建ち、白塀と楼門が見えてきます。

そこが境内の入口で、二階建ての楼門には龍の彫刻や狛犬と象の木鼻など動きのある素敵な彫刻が施されています。楼門から先も更に石段が続き、神門を潜ると明るい開けた境内となり、左には土俵が設えてあります。

参道奥にはまたもや石段があり、この石段を上がると、狛犬と勅使門が見えてきます。

勅使門には天武天皇白鳳元年(673)建立と書かれており、この社の格式の高さと古社である証です。

そして最も厳かな枚田内高山のふもとに鎮座されている、赤淵神社の本殿は、室町時代初期に建てられた式内社で、国の重要文化財に指定されています。

三間社流造り、こけら葺、蟇股(かえるまた)、懸魚(げぎょ)、妻窓などに当時の建築様式を残しています。

この赤淵神社の社伝によりますと、創建は継体天皇25辛亥年(531)9月といわれており。

日下部氏の奉祭する神社で、大化元年(645)、表米宿彌命が丹後、白糸の浜に来襲した新羅の賊を討伐した際に、沈没しかけた表米宿彌命の船が、海中から浮かび上がった無数のアワビに助けられたので、表米宿彌命はそのアワビを持ち帰り、この赤淵神社に祭ったとされています。

大海龍王は海神で、アワビを使い難を救う神であるといわれていました。
その後、赤淵神社の祭礼にはアワビの神事が行われ、近隣では今でもアワビを食べない風習が残ってるのだそうです。

京都大学の芦生演習林での研究で、「ナラ枯れ」のカシナガの被害にあった木々には、シイタケ菌が育ちやすいという研究結果もありますから。

殿(朝来市)の兵庫県小規模集落元気作戦での組織<山城げんき村>では、伝説の山城アワビをブランド名として、特産品のシイタケやアワビ茸の生産・栽培・加工・販売などをしてみようとの提案がありました。

これで海の活鮑(アワビ)が食べられなくても、もう大丈夫ですよ。