講座 「もしかして、これもDV? 〜相談対応の現場から〜」

「DV(ドメスティック・バイオレンス)」
という言葉をご存じでしょうか・・・?

最近は、少し認知度も上がってきましたが、
実際は、被害にあっている方ご自身が
そうだと気づけない・・・
そんな現状もあるようです。

今回、講師にお招きしたのは
「NPO法人 女性と子ども支援センター
ウィメンズネット・こうべ」代表理事の正井礼子さん。

まだDVという言葉が認知されるずっと前から
被害にあわれた女性たちに寄り添った支援をされ、
現在も、日々現場の中で支援活動を行いながら
講演会、研修会、相談員の養成など
様々な活動を精力的に行われています。

DVは、夫婦やパートナーの間でおこり、
相手を力によって支配し、コントロールします。
最近では「デートDV」(若い交際中のカップル)なども
知られてきました。

殴る、蹴る、タバコを押しつけるなど
“身体的な暴力”もちろんですが、

大声で怒鳴り恐怖感を与えたり、
相手の自尊心をおとしめるなどの“言葉の暴力”、
無視するなどの“精神的な暴力”

行動を制限する、生活費を渡さない、
働かせないなど“社会的”な暴力
セックスを強要するなどの“性的な暴力”なども
それにあたります。

そうやって被害を受け続けると
無力感に陥り、自尊感情を失い、
絶望と孤独感に陥ってしまいます。
そこから逃げる気力さえ、失われてしまうのです。

ワークでは、
参加者が、被害者のDV被害のシナリオをもとに
「家」から
「ホテル」「アパート」「親戚の家」「シェルター」
に移動します(逃げます)。

その際に、
緑のカード=(お金)
黄色のカード=(気をつかう)を払っていくのですが・・・

「家」から逃れたものの、
あっという間に手持ちのカードは無くなってしまい
また、危険ない「家」に戻らざる得ないことを体験しました。

もし、あなたのまわりにいる誰かが
SOSを発信したとき、
そのひとの言葉をまず信じて聞くことが大切、と正井さん。

「あなたにも悪いところがあるんじゃないの」
「何で逃げないの」
その言葉は、被害者をとても深く傷ついてしまします。
ただでさえ、「無力で、無能で、お前が悪い」と
思わされているのですから。

人はみな誰もが
大切にされるべき存在です。
まずは、気づいてください。

そして、助けを求められるところがあることを
ぜひ、知っていただきたいと思います。