(※市民活動センター情報紙の掲載記事を紹介します)
平成28(2016)年5月
能勢電鉄多田駅の近くにオープンした
「多田東まちづくりプラザしゃらりん」。
地域の新しい交流拠点の立ち上げと運営に携わるのは
多田東コミュニティ協議会まちづくり委員会の
22人のメンバーのみなさんです。
今回は委員長の岩田秀雄さんと広報担当の佐古新市さんに
「『まちづくり』に関わる理由」をうかがってみました。
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■ まちづくりって、何するの?
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川西市ではおおむね一小学校区にコミュニティ組織が結成され
自治会をはじめ各種団体が協働して地域の福祉や安全
環境整備などの活動を行っています。
多田東コミュニティ協議会で
まちづくり委員会の初代委員長を務める岩田さん。
長年、「まち」のことに携わってきた岩田さんの胸にあったのは
「みんながフラットに集える場所がほしい」という思いでした。
「地域内外の異分野多世代交流拠点づくり」をテーマに
3年間で独立できるシナリオを描き
川西市の「コミュニティチャレンジ事業」に応募したところ
交付金を受けることが決まりました。
「実はね、採択されてから場所探し(笑)。
地域の人たちのネットワークと口添えのおかげで
元居酒屋の空き家を借りられることになったんです」。
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■ きっかけは、1.17
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それまでも、自治会や自主防災会など
「まちづくり」に関わり続けてきた岩田さん。
その原動力は、どこからやってくるのでしょう?
「記憶を辿っていくと、やっぱり
阪神・淡路大震災がきっかけだった。
自宅が全壊して、家財道具の運び出しなんかを
中学校の先生たちが手伝ってくれてね。
6ヶ月間の避難所で
地域のみなさんに本当にお世話になった。
当時はサラリーマンだったけど
いつか恩返ししようって思いましたね」。
その後、地域の活動に本格的に関わるようになった岩田さんは
「『まちづくり』を担う人材がいない」という壁にあたります。
「自治会を5年間やったけど、役員になってくれる人がいなくて大変だった。
やってる人たちの負担感も大きくなるし、これじゃ次に続かない。
いろんな人に関わってもらうには、やっぱり『まち』に魅力がないと」。
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■ 失敗してもいいから、智恵を出しあう
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今の「まち」には、魅力がないのでしょうか?
「魅力がないわけじゃなく
魅力がないように映ってしまっているのかもしれません。
じゃあ、魅力ってなんだろう?
この地域にふさわしい『まちづくり』って何だろう?と考えても
明確な答えがあるわけじゃない。
失敗してもいいから、みんなで知恵を出しあっていく。
無理なく、楽しく、それが大切だと思うんです」。
そんな岩田さんに誘われて
まちづくり委員会の広報担当をしている佐古さんの本業はデザイナー。
「しゃらりん」や委員会主催イベントの素敵なチラシは
全て佐古さんによるもの。
「はじめは岩田さんに引っ張られた感じだったけれど
地域の運動会とかお祭りとか
やってみて初めてわかることがたくさんありました。
今じゃ生活時間の3分の1を
『まちづくり』に費やしている気がします」と笑います。
佐古さんにとって「まちづくり」の楽しさって何ですか?
「地域の活動に携わらなければ
接点がなかっただろう人たちと出会えたことかなぁ。
まちづくり委員会のメンバーはもちろん
『しゃらりん』を利用されているグループの方や
講演会にお招きする講師さん
こんなに素晴らしい人がいたんだ!と」。
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■ 「続けていく」ために必要なこと
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佐古さんの話を受け
地域の役に立ちたいと思っている人は多いが
継続することが一番難しいと岩田さんは振り返ります。
「むかし、小学校児童の『見守り隊』の担い手を募集したことがあって
最初は140人くらいの人が手を挙げてくれたんです。
でも3年、5年、10年と経つうちに、どんどん減ってしまった。
活動をずっと続けていくためには、動いた分
何がしかの『対価』が必要だと痛感しました」。
現在「しゃらりん」のスタッフが有償なのも
そんな経験から「継続性」「事業性」を考えた結果でした。
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■ 本当の「課題発見力」は地域にある
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「しゃらりん」では、昨年11月から月に1度
コミュニティカフェをオープンするようになりました。
運営全体の採算性など課題はまだありますが
カフェも4月からは毎週日曜日の開催に増やしていきたいとのこと。
さらに、まちづくり委員会として、今後は空き家対策にも取り組んでいきたい
他の委員会と連携して「暮らしのお困りごと」をサポートする事業もしたい
と計画は膨らみます。
それらを事業としてどう継続していくか
「みんなの智恵の出しあい」はこれからも続きそうです。
「地域の本当の課題を発見する力って
地域の中にあると思うんですよ。
そこに根ざして、生活しているからこそ発見できる。
課題を解決できるのも、最終的に地域なんじゃないかな」。