ため池の自然を守る〜カメ類の捕獲調査と外来種の駆除〜

2月13日
 寺田池に流れ込む寺田用水に入ってカメの棲息状況を調べました。ここは寺田池の改修の際護岸されましたが、生き物に優しい設計になっています。ところが途中の私有地の暗渠の水底面積が大変広くとられたため、水深が浅くなってしまい、せっかくの横穴も生き物に利用されないままになっていました。カメが陸地へ登るための緩やかな傾斜の護岸も、陸地ギリギリのところにコンクリートフェンスが作られたため、意味がない状態です。
 水の流れは雨などによる水底の形の変化を待つしか仕方ないかもしれません。

 写真は生き物の姿が見えなくなった寺田用水

寺田用水の工事が成されなかった箇所は、自然の風景が残され、見た目には生き物もいそうに見えます。しかし以前はたくさんカメたちが越冬していたこの場所も、今回は1頭もいませんでした。工事区間で分断され、移動しにくくなっているのだと思います。

寺田用水に続いて、寺田池と今池をつなぐ農業高校横の水路で調査をしました。なんとここでもカメたちは姿を消していました。在来種どころか外来種さえいませんでした。水量が少ないことに加えて、水質の悪化が原因と思われます。がっかりして片づけをしていると、近所の方が声をかけて下さって「昔のホタルが飛んでいた頃の美しい水路や池にしたい、清掃活動をみんなに呼びかけている」と力強い言葉をいただきました。

写真は農業高校横水路の水質検査