エマージェンシーはカブールの二つの孤児院内で診療所を運営しています。ひとつはアラフーディンという少女孤児院と、もうひとつは少年孤児院です。施設は孤児に限らず極度に貧しくて子供を養えない家庭の子供たちも受け入れています。施設では子供たちの世話をし、その成長を助け、教育の面倒も見ます。アラフーディンの孤児院には約400人の少女と5歳から12歳までの少年が数人います。診療所には医師1名、歯科医1名、看護師が2名、そして8時から4時までの間は2名の清掃員がいます。

一番多い病状は寒さによるものです。この辺りの冬の寒さは大変厳しいためです。少し前までトイレの数が足りず、お湯もでませんでした。夏は消化器系統の感染症です。今年の初めから7月までの間に2,482件の診断を行いました。

少年孤児院には13歳から18歳の少年が600人。診療所には医師1名、看護師が3名、検査室の技術者が1名と清掃員3名がいます。

正面玄関の近くで孤児院の責任者と出会いました。彼はパンシール出身で、我々のアナバの病院をよく知っています。2箇所の孤児院での我々の仕事ぶりについても感謝の意を表されました。施設内と中庭の大きな改修工事に着手することができたのも、彼の計らいによるものです。彼は施設の受け入れキャパシティーを増やし、より多くの子供たちを補助したいと考えています。彼の話によると少年、少女の多くは精神的にも、環境に対応するにも大きなストレスを抱えており、学習にも支障を来たしているため精神科医の助けが必要だということです。

少年孤児院では今年の初めから7月までに1,600件の診断を行いました。その4分の1は遊んでいる間にした怪我です。「男の子はすぐ熱くなるからね」と笑いながら医師が言いました。私もつられて笑いながら前日にカブールの病院の救急棟へ運ばれていった5歳になるエムランという少女を思い出していました。友達と遊んでいて転んだ弾みに眼窩上に深い裂傷を負いました。「男の子も、女の子も若い時はすぐ熱くなるんですよ」

カブールで、この国で子供たちが遊びたいという気持ちになるのはよい傾向です。そしてそんな子供たちをいつでも手当てしてくれる誰かがいるということを知っているのもまた、よいものです。