今月は11月12日から3週間、スーダンのサラーム外科センターにボランティアとして滞在されたハンブルグ(ドイツ)在住、サンリオヨーロッパ勤務の浦山浩美さんからのレポートをご紹介します。

サラームセンターからこんにちは!

マンゴーの木でさえずる小鳥の鳴き声が目覚まし代わり。朝の7時ごろには明るくなってきます。外の気温は25度。ハルツームのサラーム外科センターではエマージェンシーのスタッフが活動を始めています。今日は心臓外科手術が2件とカテーテル手術2件が予定されています。ICU(集中治療室)には手術後3日目の8歳の女の子がいます。まだ危険な状態を脱しておらず、インターナショナルスタッフと現地スタッフが彼女のベッドの周りで話し合いをしています。その隣には14歳の女の子。彼女は手術後2日目ですが経過は順調です。

イタリアからのスタッフ2名がハルツームでの2期の勤務を終了し、今晩帰国します。彼らのために現地スタッフがケーキやピザ、ドリンクを用意してお別れパーティーを開きました。1年間、一緒に働いてきた人たちとお別れするシーンにはじーんときました。11月13日/11月14日以降のレポートはウエブサイトwww.emergency-japan.org、Facebook(エマージェンシージャパン)で引き続き更新していきますので是非ご覧下さい。

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サラーム外科センターで撮影されたドキュメンタリー映画 Open Heart (監督 Kief Davidson) がアカデミー賞のドキュメンタリー映画短編部門にノミネートされました。http://openheartfilm.com/

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Emergencyの設立メンバーの1人、Gino Strada 氏のインタビューがイタリアの新聞La Repubblicaに掲載されました。(11月28日)

「エマージェンシーはこれまでに300万人以上をアフガニスタンで治療してきたが、まだ平和と呼ぶには程遠い」

アフガニスタンの情勢は一向に改善されず、11月23日にもMaydan Shahrで爆発がありました。負傷者41人がカブールの病院へ運ばれ、うち25人が入院、10歳の男の子は病院についた時はすでに息を引き取っていました。Maydan ShahrにあるエマージェンシーのFAP(応急処置センター)も爆発による被害を受け、現地スタッフ2名が軽い怪我を負いました。

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アフガニスタン ラシュカルガの病院より

”両脚に大きな怪我を負い、リハビリのために通院している男の子。毎日、ひとりでやって来ます。理学療法士のラーラによると聞き分けがよくて、我慢強く、根気強い一番優秀なな患者さんなのだとか。今日は治療の前に新しい赤い靴を見せてくれました。”

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Microsoft社の公式ブログでEmergencyの例が紹介されました。(英語)

http://blogs.office.com/b/microsoft_office_365_blog/archive/2012/09/27/office-365-nonprofit-customers-oxfam-emergency.aspx

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アルジャジーラでエマージェンシーのカブールの病院が取り上げられました。(英語)

http://www.aljazeera.com/video/asia/2012/10/2012102785148892370.html

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すべての記事、文章を日本語にしてお伝えすることができなくて申し訳ありません。

そして、今月は会員で熊本県在住の山口充さんからのメッセージです。(折角写真も送っていただいたのですが、pptx.ファイルだったのでメール添付の方法が分かりませんでした。山口さん、ごめんなさい!)

EMERGENCY JAPANのみなさま、はじめまして。
山口充と申します。現在は国立病院機構熊本医療センターという病院で外科医をしています。
東京大学法学部やNGOなどで、国際人道法という紛争地域のルールについて特に興味を持って研究・活動していましたが、9・11の際にも紛争被害者支援をしていて「もっと彼らの近くで支援がしたい」と思い、医学部に再入学しました。
3年前にようやく医師免許を取得し、今年4月から外科医として手術と診療に明け暮れる毎日を過ごしていますが、一般外科だけでなく産婦人科(帝王切開など)や形成外科(熱傷・四肢切断等)のスキルも磨きながら、紛争地域で働けるよう準備しています。

EMERGENCYの存在は以前から耳にしており、前の職場だった赤十字病院の国際救援経験豊富な医師からも「現場に残ってがんばっている団体だ」とすすめられていたので、外科医として働くようになった後応募する方法を探していたところ、日本支部ができたという話を聞きました。まだ日本支部からの医師派遣歴はないとのことで、もし派遣となった場合責任重大ですが、きちんと私が現場で見たこと感じたことを皆さんと共有して、現場と日本とが一体となって支援にのぞむための架け橋となれればと思っています。

小さい頃「プロ野球選手になりたい」と夢見て、なんとか六大学野球で神宮球場のグラウンドに立つことができたように、世界中のどこにいても子どもが夢を持てるような社会にするためがんばりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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最後になりましたが、寒さも本格的になってきました。皆様風邪など召されませぬよう、ご自愛下さい。そして、少し早いですがよい年末年始を迎えられますようにスタッフ一同心からお祈り申し上げます。

特定非営利活動法人Emergency Japan

– Life Support for Civilian War Victims

669-2702 篠山市本郷499-15

Tel/Fax 079-506-0932

www.emergency-japan.org

info@emergency-japan.org