台風の前後には、朝焼け、夕焼けが綺麗というのはご存知でしょうか。風で空気の循環がよく、雲が滞留しないので、斜陽がよく入り込むからだと私は考えています。
私は十代の頃、よく朝焼けを見に近所のマンションの屋上へと足を伸ばしていました。やや緑がかった空はとても気持ちよく、ただそういう世界の美しさに酔いしれていました。
大人になるにつけ、世の中の実際を僅かなりとも知り、酔いしれている暇など無いのだとわかり、改めて斜陽に照らされた街を眺めると、様々なドラマと美しい斜陽が交じり合っているのだなと、改めて感慨にふけるようになりました。
まぁ、幼い頃からあまり進歩はないのかもしれませんが、見る目も少し変わり、置かれた境遇も変わり、変わる中で変わらない美しさのあるのを見て、なんとなく、寂しさにも味がついたというか、感情に奥行きが出たような気はします。
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