3月11日に発生した大震災による死者・行方不明者は
24,904人。まだ2,403か所の避難所に、119,967人の方々が
避難していらっしゃいます(5月5日時点)。
死者・行方不明者や全半壊した住宅の9割前後が、岩手・宮城・
福島の3県に集中し、県外に避難していらっしゃる方々も10万人を
超えると考えられます。
これら3県の沿岸部(38市町村、うち仙台市は若林・宮城野の2区
のみ)の人口 は180万人以上ですが、高齢者率が25%を超えて
おり、15%以下だった阪神・淡路大震災の際とも異なる支援や
復興のシナリオが求められています。
(詳しくは代表幹事の一人である川北秀人が作成した資料を
ご参照ください。)
かつてない圧倒的な規模の被害を受けながら、それぞれの
復興をめざして歩み始めていらっしゃる被災者のみなさまを、
その実現に向けた過程をともに歩み、支え続けること、
つまり「一人ひとりを大切にした復興」への支援が、私たちを含め、
被災者の支援に携わる者すべてに共通する責務であると
考えています。
被災地・被災者が主体の「一人ひとりを大切にした復興」への
過程は、以下の段階を経て進めることになるでしょう。
第1段階:長期化する避難生活を健康に乗り切る
第2段階:仮設住宅で新しいコミュニティ(集落)を形成し、
復興へ歩み出す
第3段階:地域の復興プランを、地域の人々が自ら話し、
考え、つくっていく
つなプロでは、宮城県内の避難所の巡回訪問とアセスメントを
5週にわたって続ける中で、5月1日に幹事会(第3回)を開催し、
今後の活動方針を、下記の通り定めました。
【1】3月28日から5月1日まで、5週にわたって実施した
宮城県内のほぼすべての避難所への巡回訪問とアセスメント、
伺ったニーズへのつなぎ(マッチング)の経過・結果を集計して
発信する。
(誰の、どんなニーズを、誰に、どう、どれだけつなぐことが
できたのか?)
【2】5月9日から6月末までの2か月間については、避難所の
巡回訪問とアセスメントは終了し、宮城県内(おもに北部)の
10か所程度の避難所などを拠点として、その運営をお手伝い
しながら、ニーズの把握と、地域の方々との接点づくりを進め、
避難所周辺の自宅避難者の方々のニーズの把握にも努める。
【3】実施体制として、各避難所を管理・運営する地域のリーダーの
お手伝い役として「拠点リーダー補佐」(各1名、基本期間は
3ヶ月程度)を配置。
各避難所には同時にボランティア(各2名程度、基本期間は
2週間単位)も送り、活動を補助する。
拠点リーダー補佐もボランティアも、可能な限り、地元在住や
出身の方に担っていただけるよう働きかけ、募集や人選は
地元の団体を中心に進める。
→5月中は、これまで活動してきた県外からのメンバーが継続
参加しつつ、避難所などを拠点とした活動体制を整える。
→6月以降は、地元の団体や個人(県外からのUターン・
Iターン者を含む)に体制を引き継ぐ。
【4】高齢者・障碍者への介助・ケアなどのニーズに対しては、
現地でのつなぎ(マッチング)を強化できるよう、専門性を持つ
団体による直接サービス増をめざす。
同時に、地元の団体によるニーズへの対応力向上を促すために、
地元の団体と県外のNPOとをつなぎ、人手やノウハウの提供に
よる支援を本格稼働させていく。
【5】地元主導による復興を応援するために「仕事づくり」に協力する。
「仕事」のテーマは、地域ニーズや資源によって異なるが、外部の
資源(人、資金ノウハウ等)とつなぐことで、復興を加速させる。
第一弾として、石巻での訪問介護事業所の開設を支援する。
なお、7月以降の活動方針については、6月中旬の幹事会で
決定する予定です。
今後も、つなプロの活動に、ご支援・ご協力をよろしくお願い
いたします。
文責:赤澤(事務局長)