本日は、「地域コミュニティを活かした認知症啓発事業」のひとつ、NPO法人「エコ・モビリティ サッポロ」のプロジェクト「ベロタクシーを利用した回想療法」事業をご紹介します。
NPO法人エコ・モビリティ サッポロは、地球温暖化防止の観点から、環境に配慮した交通手段を活用したまちづくりに貢献するため、ベロタクシーを運行しています。
今回の事業で、エコ・モビリティ サッポロは、札幌市内の歴史や風景をそのまま残す場所を中心に、認知症の方や高齢者の方をベロタクシーに乗せて運行し、戸外での回想療法を行います。
現在、認知症の療法に多く用いられている回想法は、かつて使用した道具などに触れることで記憶を呼び覚ますために行われていますが、主として屋内で行われているということです。ベロタクシーを活用することで、そこから一歩進んだ、古い建物を眺める、移動する、風やにおいを感じるなど五感を使った回想法の実施が期待されています。
これまでの活動をエコ・モビリティ サッポロの報告をもとに、ご紹介します。
●歴史研修(7月14日)
「対象15年創業のマリヤ手芸店の社長である松村氏を講師に迎え、札幌の昔の地図、写真、資料をもとに札幌のまち中の様子を伺いました」
●回想ポイントの調査(随時実施)
「現存する昔の建物や昔を想起する物を写真に収める。昔の街の様子、文化、暮らしなどの聞き取りを行いました。歴史的建造物に限らず昔の住居や蔵、看板、街灯、植物など回想法の話題のヒントになりそうなものを写真に収めて、地図上に落とし込んでいます。
また、お客様や道行く人と話した際に、昔の札幌の様子を聞き取り調査しています。
『ココでお祝い事のお寿司を頼むのがステータスだった』『お祭りは創成川の上に板を渡してサーカスがやっていた』など、今からは想像できないような情報を収集しています。現在も継続しています」
この度、「認知症」の疾患啓発活動の一環として、当法人が運行するベロタクシー1台に認知症啓発のラッピングを施し、市内中心部を運行します。
大人から子供まで国民的人気の「ちびまる子ちゃん」が今回のPRキャラクターです。運行エリアは大通りを中心にした3km圏内で、この車体を利用したり目にした市民、観光客の方々に「気軽に相談」出来ることを伝えます。掲載車両は8月1日〜31日の1カ月間です。
(地域コミュニティを活かした認知症啓発事業 北海道事務局)
(写真説明)上から、8月から1月間走行予定のベロタクシー横から。エコ・モビリティ サッポロの方とベロタクシー。ベロタクシー背面からの写真。クリックすると大きな画像をご覧いただけます。