■第3回「認知症の非薬物療法」について
苫小牧・植苗病院での自然療育プログラム終了後、瀧澤先生より、
精神疾患患者に対するケア講義の第3回をしていただきました。
■はじめに
認知症によって社会的なつながりが断たれたり、過剰な介護やまったく刺激のない生活に陥ることで心身の機能はさらに低下していきますが、このことは認知症そのものがもたらす脳の機能低下以上に認知症を進行させると考えられています。したがって、残された身体的・精神的機能をできるだけ長く維持するためにリハビリテーションや心理社会的療法を行っていくことが欠かせません。
食事、排泄、入浴、更衣などの日常生活におけるさまざまな活動のことをADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)といいますが、リハビリテーションではできるだけADL訓練を行うことで残存能力を高め、心身機能の活性化を図ります。
■心理社会的療法の4つのタイプ
1. 行動に焦点をあてる行動志向的アプローチ
2. 感情に焦点をあてる情動志向的アプローチ
3. 認知に焦点をあてる認知志向的アプローチ
4. 感覚刺激に焦点をあてる刺激付与的アプローチ
■行動に焦点をあてる行動志向的アプローチ
*行動療法
*環境調整
■感情に焦点をあてる情動志向的アプローチ
*回想法
*バリテーション療法
■認知に焦点をあてる認知志向的アプローチ
*リアリティ・オリエンテーション
*モンテッソーリ法
*レクリエーション療法
■感覚刺激に焦点をあてる刺激付与的アプローチ
*芸術療法
*ペット療法
*タクティールケア
以上のような内容を瀧澤先生に講義していただきました。